「気」って何?「気功」って何?
超能力?霊と関係ある?
ヨーガのプラーナと何が違うの?
チャクラと関係あるの?
……etc
「気」と聞くとその扱う範囲が多すぎて、上述のようにいろんな想像をする人がいると思います。
私は気の実践という意味では中国武術を学ぶ過程で経験しています。
私程度の浅学で偉そうに多くを語ることができませんが、「気」と「脳波」については少しだけ語ることができます。
なぜ「気」と「脳波」を語れるのか?という理由。
それは、私の大学の卒論のテーマがまさにそれだからだ。
もう三十年近く前の話になります。卒業論文のタイトルは「東洋学的行法における生理心理学的研究」ですが、やったことは「気功師」の「脳波」を観察して、その考察をした論文です。
私の卒業校は仏教の総合大学という母体があるので、その心理学研修室でも「禅の心理学的研究」ということが盛んにおこなわれていました。
私が卒論を書く以前には「禅の脳波」ということは既に行われていたので、私はその「禅の脳波」の研究をさらに進めるという位置づけで行った訳です。
では私がなぜ「禅」ではなく「気功」を選んだのか?という理由ですが……
一つは、当時中国の「気功」が日本に大々的に紹介され「気功ブーム」真っ只中だったこと。特に右脳ブームの火付け役ともなった日本医大学教授の故・品川義也教授などが一般図書(所謂ハウツー本)にまで気功の心理学的研究を書かれていました。
もう一つは上でも少しふれたように当時、大学へ通うかたわら古式中国武術を習っており気功の「実践者」であったこと。
だからこの時も「どうせ研究するなら門外漢の禅よりは実践経験のある気功の方が面白かろう」という結論に至ったということです。
苦労したのが被検者の方をどうするか?でした。当時「自称」気功師という方を訪ねて探し回りました。なかには「なんか怪しい」という方もいましたよ(笑)
最終的に「被験者」に選ばれたのは某大学の中国からの留学生で、幼少のころから毎日「気功」を実践していたという筋金入りの気功師でした。
結果どうだったか?
その脳波は、想像以上に「驚きの結果」でした。
そ私のみならず当時の教授はその脳波データをみて「え~?」と首を傾げました。
それぐらい「異常」だったのです。
少し脳波の詳しい話をすると……
スピリチャルな方が好きな?皆が良く知る「α波(アルファ波)」
これは医学的には「脳が活動していないシグナル」として評価されます(活動しているとβ波になる)。
何が言いたいのかというと、別に取り立てて大騒ぎする脳波ではないということ。
脳波は場所によって「役割」が決まっているので、例えば、眼をつむると「視覚」の役割を持つ後頭部(後頭葉)が「休む」ので後頭部からα波が「誰でも」必ず出ます。
メディアやネットで見られる「いい加減な記事」にあるようなα波を出すために特別な才能がいるというのは大きな誤解。
せっかくですから、そんな間違った情報に惑わされないように少しだけ脳波に詳しくなりましょう。
脳波を評価するときに忘れてはいけないのは「どの場所から」という考え方。
上述の「視覚」の話であれば、視覚をつかさどる「後頭葉から」α波が出る、という具体に「場所」とセットで考える必要があります。
さっき「視覚」は頭の後ろ側(後頭葉)がその役割を持っていると言いました。では別の「場所」を考えてみましょう。
「考える」「感情や行動をコントロールする」「コミュニケーションをする」はどうか?
こういった役割をもつ「場所」は頭の前部(前頭葉)になります。
この頭の前の部分「前頭葉」は覚醒中(起きている時)にめったにα波は出ません。
そりゃそうですよね?覚醒中は前頭葉がフル回転で活動する場所だからです。
つまり覚醒している(起きている)人は、ここからα波がでることは通常は「ない」となります。
さて、ここから上述した「驚き」の話になっていきます。
ただ、この気功師。「では気功を始めてください」と言った途端、後頭部はもちろん前頭葉を含む頭全体からα波が出始めてしまったのです。
繰り返しますが、起きている人が頭全体からα波が出るなんて脳の障害がない限りあり得ません。
そのあり得ないことが眼の前で起こってしまったので、私も教授も、またほかの研究生も口をあんぐり開けて驚いてしまった訳です。
しかし、この教授はこの脳波を見て「スプーン曲げで有名な超能力者K師の脳波に似てる」と言いました。そうなんです、実はこの研究室ではこの超能力者K師の脳波計測の経験があったのです。
なんとなんと、凄いことが起きたな、と言うのが当時の感想でした。
この結果から考察できることとしては、気功によってある程度「意図的に」脳の働きをコントロール(この場合「休める」)ことができる、ということ。
ただ、逆に言えば確かに特異な脳波ですが「それ以上でもそれ以下でもない」ということになります。
さて、私は上述したように中国武術で気功は充分実践していたのでその後、その気功師の方に「根掘り葉掘り」質問したのは言うまでもありません(笑)
その時に質問した内容で今でも覚えているのが2つありますので今日はそれを紹介して終わりにしたいと思います。
①気功は「立禅(立ってやる)」方が圧倒的に効果が高い。
これは中国武術では基本全て立って行うので大いに同意するところでした。
②(その気功師の方は)周天法はやっていない。
②の周天法についてはご存知ない方も多いと思いますが、簡単に言うと「気」が通るルートへ「意識的」に気をまわす(めぐらす)方法です。私が実践していた中国武術では一部、周天法を応用するので逆に「やらない」という方法が新鮮に思えました。
以上です。ご質問ある方は大歓迎です!
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