「蟲師」という漫画・アニメーションをご存知ですか?
私は原作の漫画は読んだことはないのですが、アニメーションでこの作品を知り大好きになりました。
密教、特に修験道を修行する人間にとって、この蟲師で描かれている「世界観」は、いちいちリアルすぎてとてつもなく説得力がありますよね?
この世界に登場する「蟲」というのは『精霊・幽霊・妖怪といった怪異を作者なりに「普通の人には見えない生命体の営みから起こる現象」と解釈し、この世のあらゆる生命よりも命の源流に近いものが「蟲」となっている(ウィキペディア)』とあるように、非日常に登場する不思議の「根源」という描かれ方をしている。
この世界観がなんとも「リアル」だと思いませんか?この「蟲」という存在自体では「意志」を持ったない根源的な生命体であるという設定。……ってことはつまり「蟲」の存在自体に「善悪」は全くないということがなんとも「真理をついているなあ」と感じるところ。
だから人間にとっての「悪い事」が起きるのは、「蟲」に人間が介在することではじめて「悪」として具現化してしまうという設定になっている。
「人間のいない場所には霊は出ない」
「人間に霊を引き寄せる原因がなければ霊は寄り付かない」
そんなセリフを聞いたことがある人は多いですよね?
これの「霊」というところを「蟲」と置き換えると、「蟲師」の世界観が秀逸であることが見えてくると思います。
「蟲」というのは意志を持たずただ「ある性質」をもったただの生命体。それ自体では地球に於いて善も悪もない。ただその「蟲」の性質に「人間の闇」が結びつくことで「(人間にとって)悪い事」が起きてしまう。ほら、凄くないですか?この世界観。
作品の中では『蟲師とは蟲に関するあらゆる事象を取り扱う、蟲専門の医者、研究者』という説明がされている。山を歩き旅をする主人公「ギンコ」の振る舞いは「修験者」と何も変わらないこと思うこの頃……
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