地道に密教修行

天台寺門宗の祈祷寺院にて密教の修行しております「亮和(りょうな)」と申します。修行、信仰を通じて感じたことなどを綴っていきます。※過去(本格的な修行前)に「地道に観音信仰」というブログを運営しておりました。どうぞ気楽にコメントいただけると嬉しいです!

荼枳尼天との出会い

 仏教を学び始めて「ご縁」ということに感謝することが日常になりました。

 野暮と分かりつつも、敢えて分析的な言い回しをすると、何事も「縁」を意識した思考回路が徐々に培われてきた、と言えばいいのでしょうか。

 さて、そのご縁の中でも私が仏教で生きることに於いて決定的だったのは師僧とのご縁だと思います。

 私がはじめて師僧のことを知ったのは、実は2ch荼枳尼天のスレッドです。

 当時の私は仏像好きでしたが、お恥ずかしながら「尊格」の宗教的な意味にそれほど興味はありませんでした。また仏像ファンでも尊像があまり表に出てこない荼枳尼天のことは案外知らない人が多いと思いますし、当時の私も知りませんでした。

 

「じゃあ、なんで荼枳尼天のスレッドなんか見てんの?」

 

 ということなんですが、それは理由があります。

 きっかけは2010年に仙台博物館で公開された「特別展 聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」です。

https://www.museum.or.jp/event/65903

 

 当時、チベット仏教にそれほど興味があった訳ではありません。しかし仏像に興味はあったので日本の仏像とはまたテイストが全く違うチベットのお像を見てみようというと思った訳です。つまりあくまで「仏像見物」が目的で足を運びました。

 私がこの特別展で見たチベットの仏像の印象は、日本の仏像を見慣れている私からすると随分と違和感のあるものでした。

 確かに「凄い」という思う反面、どうも受け入れがたい面もあるという微妙な感触でした。

 そして、その違和感が頂点に達したのが「ダーキニー」のお像を見た時でした。

 30cm程度の小さなお像です。

 しかし……これを見た時、強烈な違和感を覚えると同時にその感情とは相反する、心をわしづかみにされる程の強烈な魅力を感じてしまったのです。

引用「特別展 聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝(印象社)」

P104「ダーキニー立像」

f:id:spincast:20200725095029j:plain

 

 それからなんかいてもたってもいられない気持ちのまま、物販売り場で、そのダーキニー像のポストカードを購入して、しばらく額に入れて「見て」いました(むろん当時は「拝む」という発想がありません)。

 ただなんか「見る」だけではどうにも処理できない気持ちに当惑することになります。

「見る」だけではなんか足りない。このお像にもっと近づきたい。そんな気持ちでした。

 その欠乏感を埋めるために、私はその心のベクトルを「探求心」に向けました。

 つまりとにかくネットで「ダーキニー」を調べまくったのです。

 その過程で、ついに荼枳尼天にたどり着くことになります。

「なんと日本にも伝わっていたのか?それにしても全然姿が違うんだけど、どういうこと?」

 この全く姿かたちが違う日本の荼枳尼天に最初かなり混乱しました。しかし不思議とあまり「違和感」は感じませんでした。本質的なところで同じであるということに納得する自分がいたということです。

 そしてこの「荼枳尼天」を調べる過程で2chのスレッドを発見して、師のことを知るに至ります。

 ちなみに荼枳尼天スレッドの住人が書くコメントを読んでいると「尊格」を仏像として愛でるというとこではく、熱烈に「拝む」という対象になっていたことに衝撃を受けました。

 そして思ったんです。「そうか、拝めばいいんだ」と。つまりただ「見る」だけで全く満足がいかない自分。そのどうにも処理できない気持ちにモンモンとしていましたが「拝めばいい」ということで「ストン」と腹に落ちました。

 荼枳尼天のような天部尊は特に増益に強い尊格ではありますが、私の場合「願いを叶えるために」という目的で神仏を「拝む」発想が当時一切なく「ただただ好きだから拝む」しかなかったですね。今では色々と祈願をお願いすることはありますが、わりと「好きだから拝む」という部分は強く残っています。

 これをきっかけに(まあ、これだけではありませんが)「仏像マニア」から「仏教徒」の道へ舵をきることになります。

 そして、時が経ち、得度してから最初に私がお迎えした「天部尊」が実は「荼枳尼天」です。厳密には最上稲荷高松稲荷)のお像です。

f:id:spincast:20200725095840j:plain

ここでようやく「あの時」感じた「不足感」に決着をつけることができたということになります。

 ということで「師」とのご縁を運んでくれたダーキニー、荼枳尼天は私にとってはこの上なく特別なご尊格なのです(^^)

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