「えんまさま」と言えば、思い浮かぶのは「閻魔大王さま」のこのお姿だと思います。
しかし、今日取り上げるのは、私の守護神候補である密教で祀られる菩薩形の焔魔天です。
インドではヴェーダの時代(3000年以上前)から「死をつかさどる神」として「ヤマ」がいました。これが焔魔天の淵源ということになります。この「ヤマ」は死の国の王として君臨していたわけですが、インドでは「死の国」は南にあると考えらえていました。
先にブログで紹介した、我が家にお祀りしている焔魔天の立像。
このような焔魔天立像の場合、それは「独尊」として祀らる様式ではなく十二天の一尊として祀られる様式になります。だから厳密にはこのお像にも他に同様な形式の十一天がいたのだと推測できます。
十二天は十二の方向を守っている天部の神々です。
言わずもがなですが、焔魔天はこの十二天では、死の国がある「南」を守る神として存在します。
この様式の仏像というのはほぼ見かけることがないのですが(というか、初めて見た。十二神将のように十二天はまとまったお像はあまり作られなかったのか?)、軸による仏画は多くの作品が存在します。
個人的にはこのお軸の仏画が好きです。
では焔魔天が単独で祀られる場合は、どういった様式なのか確認します。これはこれでお像はそう多くはないのですが例えば醍醐寺のお像が有名です。
見てお分かりだと思いますが、ポイントは牛に乗っていること。
ではここで問題!!
他に牛に乗っているお像で、パッと思い浮かぶ尊格を言ってみてください。
どうですか?
そうです、大威徳明王です。
大威徳明王の元々の名前ご存知ですか?
「ヤマーンタカ」ですね。
さあ、ここで感のいい方は気付かれたと思います。
「ヤマーンタカ」には「ヤマ」の文字が入っています。
冒頭で書いた通り「ヤマ」は「焔魔」です。
だとすると?
「ヤマーンタカ」の文字を分解すると「ヤマ」+「アンタカ」に分けられて、後半の「アンタカ」は「死をもたらすもの」の意です。
分かりやすい訳語を当てるなら「ヤマーンタカ」の意訳は「死神」になります。もちろんそのものの意味で仏教に取り入れられている訳ではありませんが、死の国の王であった焔魔天と共通の土台があるのは明白ですね。
とうことで個人的には、大威徳明王にも大いに関心があります。いつか大威徳明王に関しても掘り下げてみたいと思いますが、次回も引き続き焔魔天特集を続けます!
今回はここまで。
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