古来よりこの三観音を三年間続けて参詣すると必ず願い事が叶えられる
そんな観音霊場が東北にはある。
昨日投稿した記事で、奥州三十三観音霊場をご紹介しましたが「いやいや、三十三か所は多すぎでしょ?」なんて人が昔からいたのでしょうか?
奥州三十三観音霊場札所の中の三か所だけを「三年間続けて」参拝すると必ず願い事が叶えられるとされています
その三か所とは以下の通りです。
第7番札所 富春山大仰寺(富山観音)
第8番札所 両峰山梅渓寺(牧山観音)
第9番札所 無夷山箟峯寺(箟岳観音)
この三か所は「奥州」といっても三十三観音のように福島、宮城、岩手の三県を跨ぐわけでもなく、全て宮城県にあり、かつ地域的にも比較的まとまっているので、車移動なら数時間で全ての霊場を巡ることができます。
私がこの三観音を三年巡ったかって?もちろん巡りました!今は5度目なので2クール目に入ってますよ(笑)
願い事?
それはもちろん「一人前の密教行者になる」です(^^)V
さて、今日はこの三観音の中で、私が特にお気に入りで何度も訪れている第9番札所 無夷山箟峯寺(箟岳観音)を少し紹介してみます。
このお寺の立地は仙台平野にある標高236mとそれほど高くない丘陵(篦岳山……ののだけさんと読む)です。
『仙北平野に北西から南東にかけて長く延びる篦岳丘陵南東部の主峰であり、山容は北東側に急で、南西側になだらかになっている。このため、標高が236mであるにもかかわらず、主に北東の登米市方面からは目立つ存在となっている。頂上からは視界をさえぎるものがほとんどなく、眺望に優れ、仙北平野の水田地帯はもちろんのこと、遠く岩手県の山々や牡鹿半島、金華山まで望むことができる(ウィキペディア)』
しかし、そこはまるで深山幽谷に来たのかと錯覚するくらいの神聖な空気感に満ち満ちています。
それもそのはずで、ここはかつて24坊を数えたという天台密教の一山寺院。つまりこの地で数えきれないほどの行者が修行していた「痕跡」が、えも知れぬ「神聖な空気感」として今も残っているものと想像します。
今風の言葉をあえて使うならパワースポット、しかもそれはパワフルすぎるスポットであることは間違いないと思います(是非一度訪れていただきたい)。
また個人的なお話をすると……
このお寺に来ると、何度か、かなり分かりやすい「吉兆」が出現して、当時抱えていた問題解決の糸口が見つかることがありました。ですから以後「ちょっと最近乱れてるな」と思ったらなるべく時間を作って参拝する「個人的なまほろば」にもなっています。
さて、このお寺の縁起は、開創は宝亀元(770)年です。古いですね。また『大伴駿河麻呂による蝦夷征伐の際、加賀国より白山権現を勧請し、光仁、桓武、平城帝の奥州鎮護勅願所とされたことに始まります』とありますように、当初は白山権現を祀る霊場だったことが分かります。
証拠にこのお寺には「白山堂」という小さなお堂があります。
これについては師の著書である「修験道修行入門」で触れられているので引用したいと思います。
『白山権現は比叡山天台宗の守護神である山王権現の中では客人(まれびと)権現がこの神と同体とされている他、宮城県の箟岳では今も箟峯寺(天台宗)で仏式に祭祀されている。箟岳の観音は奥州三観音として一円に有名だそうであるが、これも当然十一面観音像である「修験道修行入門 羽田守快著(原書房)」より引用』
立地は石巻と大崎(東北道古川インター)の中間くらいなので、アクセスはあまりいいとは言えませんが(電車ですと仙台から最寄りの「のの岳駅」まで一時間以上かかります)、それでも是非足を延ばしてほしいすばらしい霊場です!
山門を望む
つぶらな瞳の?仁王像がいらっしゃいます
樹齢800年クラスの杉の木が数本あります
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