准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

「会いたい女性が二人いる」

「会いたい女性が二人いる」

 私は歴史と言うと、戦国時代や幕末といった「時代」に興味があるのだが、妻は「〇〇時代」というよりは「人」の歴史に強い興味を示すという傾向がある。特に「悲」のイメージで語られる女性。

  その妻がどうしても「会いたい」と言った女性が「建礼門院徳子」と「中将姫」のお二人だった。

建礼門院徳子(平徳子

ja.wikipedia.org

中将姫

ja.wikipedia.org

  元々今回の強硬な「関西への旅」は先日記事にした「那智の瀧」を含む熊野詣であったのだが、その旅程で妻が冒頭で書いた「二人の女性に会う事」を強く主張した。

  ここで「いい旦那」をアピールする訳ではないが!?私が去年から今年にかけての「行」に関しては、食事を「精進」にするために随分苦労を掛けたし、多くの時間とお金もかけてきてしまったことへのお礼はしなければと考えていた。

 これについては「在家出身」の修行者の間でよく話になるのだが、我々がやっている仏教修行は「我々自身」としては仏道に邁進しているという自負があっても、家族から見たら「好き勝手な趣味に没頭している」と捉えられてしかたのないことを理解しないと家族間でトラブルを起こします。

 ましてや私のように明らかに食事の件、時間の件、コストの件で負担をかけている場合は、それを理解せずに「俺は修行しているから」なんて一人「悦」に入って偉そうな態度をとるなんてもってのほか。でもこんな家族トラブルのリスクは在家修行者のよくある落とし穴だと思う。

  さて、話を冒頭に戻します。妻がどうしても会いたい二人に会うためにどこへ行ったらいいのか?

  それは京都と奈良にひとつづつこの女性たちに所縁のある有名なお寺があった。

  曰く

  建礼門院徳子は大原にある「寂光院」。

  中将姫は奈良葛城にある「當麻寺

  私が足を運ぶお寺はとはあきらかに、趣が違いすぎるお寺で、私も妻に言われるまでこの二つのお寺の存在すら知らなかったのは恥ずかしいばかりです。

  この二人の女性がどんな人生を歩んだかは上記リンクにあるウィキペディアに詳しく書いてあるので参照してください。

  私も歴史好きの端くれなので流石に『建礼門院徳子』のことはよく知っています。特に大河ドラマ平清盛」では、ちょうど今放送されている朝ドラ「エール」のヒロイン「二階堂ふみ」さんが建礼門院の役をされていたのを覚えています。

「平清盛」セリフ集 on Twitter: "徳子(建礼門院)=二階堂ふみ (2012年大河ドラマ・平清盛)

 さて、京都からバスに揺られて一時間近くもかかる京都のはずれに「寂光院」はありました。その寂光院の美しく整備された庭園を歩きつつ、平家のプリンセスという華々しい過去のある建礼門院が29歳の若さでたどり着いた「住処」としてはあまり質素で素朴過ぎる雰囲気には思うことは沢山ありました。でもだからこそ晩年は「心静かに」暮らせたんのではとも思えたのが救いでした。

  そして、仏像に関心のある私はご本尊地蔵菩薩の脇に安置されていた「建礼門院座像」に否が応でも視線が行きます。その時……

「おや?このお像、どっかで……」

  そうだ、このお像の写真確か持っていたような……とても美しかったので覚えている。でもその写真と、目の前のお像はずいぶん印象が違うし、そもそもこんなに新しくなかった記憶が……

  そのことをお寺の説明をしてくれた若い女性職員の方に尋ねます。

  「このお像、新品ですけど古いお像が別にありませんか?」

  「よくご存じで!そうだったんですけど火事で焼失してしまって、このお像は新しく作り直したものなんです」

  なんということか……

  ここで、この寂光院は平成12年に「放火による火事」によって本尊の地蔵菩薩はじめ建礼門院のお像も消失してしまったことを知ります。

www.asahi.com

 

  家に帰ってからごそごそ家探ししてやっぱりあった。このお像が火事消失していまはない昔の建礼門院座像です。可憐で美しい女性であることが写実的に表現されたすばらしいお像ゆえ……残念でなりません。

f:id:spincast:20200924103512j:plain

(裏:ポストカードですね……)

f:id:spincast:20200924103528j:plain

ちなみに現在の新しくなったお像のお姿はこちら「寂光院」のHPにあります

www.jakkoin.jp

 

 全く縁もないと思っていた寂光院にわずかながらに縁があったことはちょっと驚いた。私のいつものパターンで「お像」が縁になって。私は「仏像好き」ということがあるので、結構このように「お像」が縁になる確率は高かったりします(笑)

  ということで京都「寂光院」編はここまで。

  次回は、中将姫の「當麻寺」編です。

 

記事が参考になったら

クリック↓お願いします!

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村