准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

先祖供養とペット供養

 NHKの割と好きな番組に「ドキュメント72時間」がある。ある街角の場所で3日間。その場所を訪れた人のインタビューをただ聞くといういたってシンプルな構成の番組。

 私が感じるこの番組のポイントは「訳あり」の人のインタビューをおそらく選んで放送していること。つまりからくりは「3日間もいれば訳ありな人も通りかかる」ということ(だと思う)。

 一応この番組のキャッチコピーを書いておきます。

 『街角で3日間。 同じ時代に居合わせた私たち。 みんな、どんな事情を抱え、どこへ行く?』

 さて、今回、なぜこの番組をブログで紹介しようと思ったのか?それは「ペット霊園」での3日間ドキュメントが放送されたからだ。

www.nhk.jp

 その舞台は東京・府中市にある大正時代から続く動物霊園。ペットに「特化」して「法要」を行い「納骨」を受け、そして「墓地」を提供する。

 この回でも上述したように意図的に「訳あり」のとても印象的なインタビューが続いた。多くはそこを訪れる「飼い主」がとても熱心にこの霊園に通っている姿。

 「毎日1時間半かけてこの霊園に通う」というモルモットを亡くした老男性。23年も通い続けて亡き「うさぎ」に手紙を書き続けている飼い主。犬の三回忌のために大きな卒塔婆を頼んで追善供養する飼い主。そんな人たちのインタビューが続く。

 ここで一緒に見ていたかみさんが「ぼそり」と言った。

 「この人たち、ご先祖の法要も同じようにちゃんとやってるのかしら?」

 この時私は「当然ペットですらここまでやってるんだから当然やってるだろ」と言いかけたが「はた」と口が止まってしまった。

「ペットはやるけど、親類に至ってはどこまでやっているのか?例えば夫婦、両親ならいざ知らず祖父母、兄弟、姉妹だとどうなんだ?」

 そう考えると思うわず「う~ん」と唸ってしまった。

 考えて見れば親類とペットを比較するなら常に一緒にそばにいて、猫のように時に20年も生きる動物ではより長い時間過ごすのはもしかすると「ペット」なのかもしれないとも思ってしまったのだ(実際にこの番組で19歳でなくなった猫の飼い主がインタビューをされていた)。

 つまり老後一人暮らしになって心の支えになってくれたのは「ペット」だったというのは全くあり得る……というより事実そうなのだと思った。

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 それにしても檀家離れが叫ばれる昨今。この霊園を利用する人がますます増えているという事実を突きつけられてまたいろいろ思うところがあった。

 

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