「十一面観音」という観音さまは、私にとっては少し「独特」な印象を持つ仏さまです。理由は師僧寺院のご本尊であることがその理由といういことになるのですが、「ご本尊だから」という一言では少しかたずけられない程の「特別な存在」という感じもあったりします。「十一面観音」の特別感は、おそらく一門の方々も多かれ少なかれ感じている部分だと想像します。
観音さまなので基本的には慈悲の強い「やさしい」仏さまに違いはないのですが、こと「行者」という立場になると「厳しさ」が強調されて語られることをよく耳にします。だから「十一面さまをお祀りする」という話になると、皆が「それは大変」という表情をしたりする。
私は東北地方にあるおおよその観音霊場(数にして100以上)を巡り、いくつもの三十三霊場を萬行するほどの強い観音信者で、かつ「仏像好き」です。
にもかかわらず「十一面観音」のお像はお祀りしていないのは、上述したように十一面さまの「厳しさ」に二の足を踏んでしまっていたというのがお恥ずかしい理由だったりします。
むろん行者でなければ、過度に恐れる(畏れる)必要はないと思いますが、信者の方々も十一あるお顔が実は「柔和な菩薩面」よりも「こわおもて」な「瞋怒面」「狗牙上出面」「暴悪大笑面」の面相が多いということくらいは知っておいていいかもしれませんね。それを知って礼拝するのでは、また違った「心持ち」になれるのではと想像します。
(下図のクリーム色のみが菩薩面で、それ以外はむしろ忿怒面などの「柔和ではない」面相をしています)
それぞれのお顔がどんな表情をしているかは、下記サイトが参考になります。
暴悪大笑面のみ上記サイトにはないので、以下のサイトも参考にしてください。
さて、先に「お祀りはしていない」とはいいつつかなり以前に手にいれて封印してある「十一面観音」のお像が手元にあります。
造りのいいお像で、大きな破損はないのですが……
この通り(下写真)上述した「十一の面相」があまりに手抜き過ぎて「これはこのままではいけないな」とはずっと思っていました。
……ということで、前回「馬頭観音」の修繕が予想以上にうまく言ったので、次のステップとしてこの十一面さまを「修繕(整備)」してみようと思っています。
細かい作業になると思うので焦らず、進めていこうと思っています。その記録もきっとこのブログにアップするのでこうご期待!
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