昨日「十一面観音菩薩」のことを記事にしましたが、少し調べる過程でなかなか面白い「ブログ」の記事を見つけたのでリンクしておきます。
naranouchi.blog.jp該当ページhttp://naranouchi.blog.jp/archives/69580282.html
十一面観音の「容姿」に関して、儀軌に基づいて詳細に解説されているのがお勧めです。かといって文体は極めて面白おかしくユーモアを交えているのでとても読みやすいです。少しマニア向けですが、観音信者ならこれくらい知っておくと理解が深まるようにも思います。これを見ると、巷で出回っているお像が如何に「いい加減な代物か」ということも理解できます。
ご参考までに少し抜粋してみます。
(以下「はなこの仏像大好きブログ」より引用)
「十一面の作り方」について
ところで、十一面観音の表現方法については、2種類の経典に依ると考えられます
それは、
①654年アジクッタ訳『十一面観世音神呪経』(大正蔵18、824b)、
②656年玄奘訳『十一面神呪心経』(大正蔵20、154a)
の2つで、どちらもサンスクリット原典の漢訳ですどちらも似たような表現ですが、これがばっちり法華寺十一面の表現に反映されています
まずは、経典の内容から 見てみますね
②玄奘訳のほうが短いのでそちらから、該当箇所を引っ張り出します
(太字が原文、カッコ内は はなこテキトー訳)「応当先以堅好無隙白栴檀香。刻作観自在菩薩像。」 (白檀をつかって、観音像を彫る←テキトー訳)
(中略)
「 左手執紅蓮華軍持。展右臂以掛数珠。及作施無畏手。」(左手には紅蓮華を持ち、右手には数珠を垂らして掛ける。施無畏手を作る。)
「其像作十一面。当前三面作慈悲相。左辺三面作瞋怒相。右辺三面白牙上出相。当後一面暴悪大笑相。頂上一面作仏面像。諸頭冠中皆作仏身。其観自在菩薩身上、具瓔珞等種々荘厳」(その像は十一面で、 前の三面は慈悲相(優しい相)、左三面は瞋怒相(怒った相)、右三面は白牙上出相(白いキバが出た相)、後ろ一面は暴悪大笑相、頂上の一面は仏面像。頭にそれぞれ仏(仮仏)をあらわし、瓔珞などの荘厳で飾る)①アジクッタ訳で②と違うおもな所は、
玄奘訳「前三面慈悲相」→アジクッタ訳「右三面菩薩面」、
「左辺三面瞋怒相」→「左廂三面瞋面」、
「右辺三面白牙上出相」→「右廂三面以菩薩面。狗牙上出」、
「後一面暴悪大笑相」→「後有一面当作笑面」、
「頂上一面作仏面像」→「其頂上面当作仏面」というところで、内容はよく似るかと思われます
(引用終わり)
とまあ、こんな感じです。私もこれから始める十一面観音像の修繕に大いに参考にさせてもらおうと思いました。
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