准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

あなたならどうする?老犬の命

 愛犬の「るびぃ」を「てんかん発作」の経過観察でかかりつけの動物病院へ連れて行った。
 ひとつ気になることがある。
 繰り返し発作を起こした日を最後にすっかり発作は治まっていたが、2度ほど発作を起こした。
 その発作を起こした時に「共通している」のが私が不動華水供でるびぃの祈祷を止めている時だ。
 一度目は100座萬行して、2日ほど行を止めていた時。そして二度目は今日、動物病院へ行く途中の車の中。実は先日より新たな供養法の前行(つまり自行)を行っていて不動尊華水供(化他行)を止めていた。

 本来、てんかん発作は「完治は不可能」は病気である上に、薬でも犬によっては全くとコントールできないとも聞く。
 見方によってはそんな重症なてんかんを華水供によってギリギリ「抑えてた」のかもしれない。

 さて、動物病院での診断。

 診察室で獣医師が重々しい空気感を出している。

 るびぃの症状悪化の過程を時系列に書くと

 ①足がもつれてバランスを崩すこことが目につく。夜、丸いベッドの上で自力で丸くなることができずに鳴き始める。顔が常に傾いてる。この時点で私は老犬によくみられる「前庭疾患」を発症したと考えた。獣医師に相談しても同様の判断で「様子見」となる。

 ②数日後に「てんかん発作」を起こす。しかも相当な重度の発作(重積発作という)を、最高で日に四度も起こした。
病院からは「動画を撮影しておいて」と言われたので動画にその映像は残っている。今見ても発作中に叫ぶ鳴き声は死の直前の「断末魔の叫び」に聞こえるほどの凄い発作だ。

 ③その後「抗てんかん薬」を処方されるが、結果的に上述したように2度ほど発作を起こした。

「飼い主さんはどうお考えですか」

 獣医師が重苦しい空気の中そう問いかけてきた。

 上述した「前庭疾患」も「てんかん発作」も「特発性(原因がない)」なら薬でコントロールする治療一択だ。

 しかしるびぃの場合「前庭疾患」と「てんかん発作」が同時に起こっていること、特にてんかん発作は遺伝的な「特発性」の場合、若いうちから発作を起こすがるびぃは13歳になって初めて発作だから遺伝的な「特発性」でない可能性が高いこと。

 そこから導きだされる答えは「脳腫瘍」の可能性が疑われるということなのだ。

 動物でも今では脳腫瘍の確定診断ではMRIを撮影することでできるようになった。そして脳腫瘍が見つかったならば開頭手術で腫瘍を摘出することもできるそうだ。

「だったらMRI撮って、手術するべきでしょ?」

 そう思いますか?

 獣医師の表情から決してそれを勧めていないのは明らかだ。

 理由はるびぃの年齢だ。

 今月、誕生日で14歳になったるびぃは人間で言うなら「78歳」だ。

 まずMRIを撮るにしても「全身麻酔」が必要になる。全身麻酔は老犬にとって身体への負担は大きい。もしMRIで腫瘍が見つかったとして果たして「頭を開けて手術」なんてできるのか?極めて危険を伴う手術になるのは想像に難くない。つまり仮にMRIで「腫瘍」が見つかったとしてもできることはないといことになる。

「どうお考えですか?」
という獣医師の心の声はきっとこうなのだ。

「脳腫瘍の可能性もあります。でも年齢を考えると、無理してMRIをとって確定診断ても手術は難しいでしょう。だからてんかんと前庭疾患をうまく薬でコントロールしていきくほうがいいですよね?」

 私はこれに関しては獣医師からこのような「相談」があることは想像していたので先に妻と話を決めておいた。

 その答えは、医師の心の声に同意すること。

 つまりMRIで確定診断はしない。むろん手術もしない(できない)。

 中には「なんで手術しないんだ!助かる可能性があるのに見殺しにするのか!」なんてことを言う人がいるかもしれない。

 これについては、言い訳ではなく老犬であるるびぃの体力を考えた時には「見殺し」どころかむしろ延命につながると判断したこと。

 またなによりも、「治療」を理解できないるびぃ本人にとったら「なんでこんな辛いことをされるんだ?」とただただストレスに違いないということ。

 極論を言えば「犬が辛いと思うなら安楽死させればいいじゃない?」という意見もある。介護犬にはその選択肢があることも今回の件で知った。しかし「人間が大変だから、辛いから」という理由での安楽死は到底賛同できないし、それでなくとも仏教徒としてその選択肢ははなからない。

 しかし、今回、るびぃの病気の件で、犬の幸せにはどんな選択をしたらいいのか?色々と考えさせられた。

 本人(本犬)は、私の想いはそっちのけで今のところ回復に向かっているように見える。

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 私は不動さまがるびぃを護ってくれていると感じている。

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よかったなるびぃ!

 

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