准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする祈祷道場「准胝院」のブログです。リンク 准胝仏母祈願道場「准胝院」について https://ryona.hatenadiary.jp/entry/2021/11/01/0636 ※天台寺門宗教師 亮和

山形にある稲荷信仰のお寺

 仏教における稲荷信仰の霊場といえば愛知の豊川稲荷、高松の最上稲荷が有名ですね。

ではそれ以外の霊場ご存知ですか?

 実は山形に「神仏混淆の寺」として白狐山光星寺(曹洞宗)があります。東北にいながらも実は私もつい最近知ったのですが(汗)

sotozen-navi.com

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 ……ということで、ようやく先日参拝してきました。

 訪れて思ったのは上記リンクのサイトを見ていただくと分かるように伏見稲荷を彷彿とする紅の鳥居がトンネル状に並び、想像以上に「稲荷」でした(なんか変な表現で申し訳ございませんが……)。

 普通の人が入ればきっと稲荷「神社」と間違うと思うほどです。

 パンフレットにあった「縁起」を読むととても興味深い内容でしたので引用させていただきます。

 貞観3年(西暦861年)開基住寶傳蜜公九師僧正が東北諸州巡化にて羽黒山にいた際、東北に瑞雲がたなびくのを見て、あの地に霊地がある。其処へ行きたい。と自ら所持していた十一面観音様に祈りを捧げた。
 ある晩、夢の中に青衣を着て白狐に乗った天女様が現れて「我は貴僧の望んている霊地の守護神なる大弁財天である。貴僧が浄業を修せんと望むなら、我が同体の身分なるだき尊天の白狐を遣わす。その先導に従って参られよ」と告げた。
 数日後、白毛金尾の老狐が現れて先導を請うた。白狐の後に従って行くと、あの瑞雲のたなびきし森「護国宇賀神王菩薩大弁財尊天の安座している霊場」についた。
住寶僧正は、この地に持念仏となる十一面観音を本尊とし、大弁財天、ダキニテ尊天の三尊を祀ってお堂を建立した。
 僧正を導いた老狐も宇賀の森の深谷の中に隠れ住み、僧正に随従して守護した。僧正もこの恩にむくいんと長く老狐に眷属を扶持すべしと遺言され、日々の供物の他に1,8,10,15,17,23,28日のご縁日には、特に吟味した供物をお供えしております。
(白狐山光星寺 パンフレットより)


 この説明を読んで個人的に「興味深い!」と思ったポイントをいくつか書いておきます。
 まず、同じ曹洞宗豊川稲荷より開基がずっと早いということ。そして荼枳尼天さまの「お姿」を拝見すると豊川稲荷の構図とそっくりなのだが↓

参考:豊川稲荷のお姿

aucview.aucfan.com

 そっくりですね……しかし、光星寺は右手の持物が「稲束」ではなく「宝剣」を持つ密教系のお姿です。細かいことを言えばお狐さんが稲を加えているのがちょっと独特ですが。
 さらに縁起では弁才天が白狐に乗って登場して、さらには荼枳尼天を「同体」と言い切っているのが「おお!」と思いました。

 またネットの記事では「立谷沢の御瀧神社(熊谷神社)を参拝して、羽黒山を参拝し、最後に白狐山で参拝する巡礼が行われた」とあるように、場所がら羽黒修験との関連は間違いないのだと想像します。

 神仏分離の際にどうなったのか気になってネットで調べてみましたが見当たらりませんでした。

 「荼枳尼天」が「お姿」として前面に出ている霊場は、豊川稲荷最上稲荷が有名とはいえ全国的にはそれほど多くないと思います。しかもそのお姿が密教系の持物を持っているということも尚希少かもしれません。

 宗派は曹洞宗なので、ご本尊は「釈迦如来」ですが、上述の荼枳尼天、弁才天と十一面観音さま(他多くの観音さまがいます)での祈願を多くされる祈祷寺院です。

 最後に、特筆すべきところでは、白狐の剥製が「神様」としてお祀りされてりました。人によってはお寺に「剥製」という部分で違和感を感じると思います。しかし、しっかりと壇の中に安置され、厳かに荘厳されておりました。私は自然経机に立ててあった般若経典に目が行きましたが、荘厳、ご供養がとても大切にされていると感じとても暖かい気持ちになりました。
 
 山形県でも日本海側なので仙台からでも結構時間がかかりましたが、荼枳尼天信仰のある方は是非訪れたい霊場だと思います。

 

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