准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

「天気の子」は「龍神」の話(ネタばれ少しあり)

 今日は雑談です。

 

 今更なんですが、新海誠監督の「天気の子」を観ました(遅すぎ?)。

 随分タイミングを外してまったく旬ではない話題ですが、個人的に観て割と面白かったので記事にしたいと思います。

 まずこの「天気の子」という作品、

龍神さまの話」

だったのですね。

 オープニングでいきなり「鳥居」に日光がスポットライトのように照らされたシーンで、ぞくぞくしました。

 新海誠監督と言えば「君の名は。」でメガヒットを飛ばしたことは周知のことですが、興行成績的には「君の名は。」より「天気の子」の方が少し劣るようですが(歴代12位なのでこれはこれでメガヒットですが)、個人的には「天気の子」の方が断然面白かったです。

 人の好みは色々で、「君の名は。の方が!」「天気の子の方が!」と意見は分かれるようです。

 おそらくだけど、神仏の信仰に関心のある方は、「天気の子」の方が面白いと感じる人が多いと思いましたが、皆さんはどうでした?

 ストーリー自体は少年少女の感動ラブストーリーですね。人によっては「ベタなお涙頂戴話」と揶揄するんでしょうが、新海監督作品の真骨頂の圧倒的に美しい映像や音楽で私のようなおっさんでも涙が出るほどに感動しました。

 さて、そろそろ上述した龍神さま」の話をしましょうか。

 劇中では「雨女(雨男)」「晴れ女(晴れ男)」というキーワードと共にそれに対比するように「龍神系=雨女(雨男)」、「稲荷系(晴れ女(晴れ男)」というキーワードが出てきます。

 まあ、月間「ムー」の取材で訪問した怪しげな?占い師の話ですがね。ちなみに本編中の月間「ムー」の扱いは、随分と雑だったが……あれでよいのか?(笑)

 話を戻すとヒロインの「陽菜(ひな)」は「晴れ女」なので「稲荷系」のはずなんですが、出てくるのは「龍」の話ばかりで稲荷の話は一切出てこない。

 だからよくよく観てみると話が矛盾している。

 そんなことから視聴者の間でも「陽菜は実は雨女説」「陽菜は雨、晴れハイブリッド説」なんて憶測もあるようです(笑)

 下記サイトが割と面白かったです。

www.show02.com

 さあ、ここでホントに野暮だとは思いますが、「陽菜は稲荷系?龍神系?」について私なりの論を展開したいと思います。

 まあ、アニメ作品の感想プラスα程度に気楽に読んでみみてください。

 個人的には「陽菜は龍神系」に一票。ただ雨女=龍神系ではないと主張します!

 そのこころは……

「天気を祈る」為の祈願なら、「龍神系=雨女(雨男)」、「稲荷系(晴れ女(晴れ男)」と分ける必要はないのでは?……ということ。

 これは前に「なぜ疫神を祀るのか?」というタイトルで記事にした、例えば死を司る「焔摩天が」が延命に強い尊格であることと同じ理屈で、雨を降らせる力があるなら、雨を降らせない力も当然あるだろう(表裏一体)、という論です。

ryona.hatenadiary.jp

 だから「稲荷系」という言葉を劇中に無理やり登場させたのかが謎ですね。

 それが証拠に雲が龍神の姿で出現する場面は何度もありましたが、例えば稲荷の大白狐が登場する場面はついにありませんでした。

 だから冒頭では「稲荷さまと龍神さまの話」とは言わずに「龍神さまの話なんですね」と書きました。

 まあ、アニメ作品だからね。そんな深く考えてないといえばそうかもですが、宮崎駿とか高畑勲なんかはこう言った矛盾は絶対しないので、その後継者と目される新海誠監督も何か考えがあって?と深読みしてみると、また楽しかったりします(^^)

 

 あとは「龍神の巫女」「人柱」というキーワードが出てきます。

 これは「天気の子」が「掃晴娘」という中国の昔話をヒントにしているから、と解説されています。

『中国の村が連日続く雨により水害に陥っていた。村に住む少女、掃晴娘は、雨の神である龍神に雨を止めてくれるよう祈った。すると、天上から龍神の妃になるならば雨を止めるという声が響き渡った。掃晴娘はこれを承諾し、雨は無事に止んで空は晴れ渡った。掃晴娘は天に昇ったためどこにも姿が見えなくなった(掃晴娘 - Wikipedia)』

 どっかで聞いた話だなあと思ったら、先日参拝した五頭龍伝説と少し被ってますね。掃晴娘が弁才天という大きな違いはありますが。

ryona.hatenadiary.jp

 ちなみに少しマニアックなことを言えば、劇中に登場する「龍神の巫女」の神絵は前にこのブログでも紹介した善女龍王をモチーフにしています。だからあの絵は「巫女」じゃなくて「龍神本体」なんだよなあ……なんて野暮な突っ込みをしたり、しなかったり(笑)

 もし、これから「天気の子」を観る方は以下の絵を目に焼き付けておくと「おっ!」ってなりますよ(笑)

善女龍王像 長谷川等伯・画 安土桃山時代 七尾美術館蔵(引用元:Wikipedia

★ご相談はこちらから★

准胝仏母の道場について

本尊祈願申し込みフォーム

不動明王祈願フォーム

ご先祖供養(回向)・家族敬愛祈願フォーム

人型加持 申し込みフォーム

信徒会員申し込みフォーム

e-mail

JYUNTEIIN@gmail.com

 

記事が面白かったら

クリック↓お願いします!

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
にほんブログ村