つい先日のこと。ある格闘家が試合後の会見で30分近くも「判定がおかしい」と不平不満をぶちまけたことが話題になった。
一般視聴者、関係者含め「見苦しい」という否定的な意見が多かったように思う。
実際の会見映像を見て、「これは恐ろしいな」と思った。
同時に……あるドラマのシーンを思い出した。
「僕のどこが間違ってるんです!?」
「間違ってないと思っているところだよ!!」
これは人気ドラマ「リーガルハイ」で、堺雅人さん演じる敏腕弁護士・古美門研介が岡田将生さん演じる羽生検事に言い放ったセリフだ。
誰にでも(もちろん私でも)同じことをやってしまう可能性が大いにある「罠」だと背筋が寒くなった。
この格闘家は日本の至宝と呼ばれるほどの偉大なファイターだ。
なのに……
いや、だからだろうか?
長年培って獲得した技術、実績、自信、プライド……その蓄積はとてつもなく長くて大きい。
だから自分が間違うことなんて微塵も想像できなくなっている。
彼の主張が「正しい」「正しくない」という議論がしたいわけではない。
私が感じたのは……どんな場面であろうとも、自分が微塵も間違っていないと思い込んでしまうのは、やはり……違うと思うのだ。
親鸞聖人は「愚禿が心は、内は愚にして外は賢なり」……つまり「愚禿の心は、内に愚かさを持っていながら、外では賢く振る舞っている」といみじくも語った。
きっと私もこの格闘家のように自分に自信がある分野こそで、自身が「凡夫である」ことを忘れ視野狭窄を起こし「俺は正しい」と何の疑いもなく、口を開いていることが大いにあるに違いない。
私はこの格闘家を批判したいわけではない。むしろリスペクトすらしている。
ただ、そんな偉大なファイターすら陥る罠ゆえ、自戒の意味も込めてて…あえて今回、取り上げさせていただいた。
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