准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

荼枳尼天(ダキニ)

荼枳尼天の祈願について

※申し込みは以下のフォームリンクよりお願い致します。 荼枳尼天祈願(大般若理趣分)フォームリンク 解説 『荼枳尼天は稲荷である』 ご存知でしょうか?荼枳尼天と言うお名前を知らなくてもお稲荷さまを知らない人はいないと思います。 日本で「稲荷」と言…

般若理趣分による荼枳尼天祈願

般若理趣分による祈願を始めたいと思います。 今までも般若理趣分による祈祷は、施主様の願意に合わせて本尊の准胝仏母、不動明王様の威光倍増のため行っておりました。 しかし、この度は般若理趣分で荼枳尼天さまを拝み、威光倍増いただこうと思います。 中…

おしゃべり好きの荼枳尼天さま?

昔、本格的な修行に入る前に、一信者としてブログを書いていた時に、よく「荼枳尼天さま」との会話形式のやり取りを記事にてしていたことがある。 今では記事を書くことにも慎重になり、僧侶、今では住職としての責任もあるので前ほどに「なんでもあり」とい…

お狐さまの物語

ふと目についた鳥居。 見れば都会の宅地真っ只中には不釣り合いなほど長い参道。 存念ながら私は「(霊的な)何かに呼ばれた」なんてことが判る感性は持ち合わせていない。 それでも、その神社が「気になった」のならその「微かな気づき」を無視せず大事に「す…

お供物の話

信者さまから「果物」のお供物をいただいたが、その多くは「柑橘系」でした。 「柑橘系」のお供物といえば? そう「荼枳尼天」ですね。 以下参考引用 『(荼枳尼天の)特殊な供物としては柑子(こうじ)が使われるが、これは実は肝臓の意味である。果実とし…

初午で思ったこと

昨日は、「初午」でした。 ※参考リンク ja.wikipedia.org 私は「荼枳尼天」を守護神として礼拝している。言わずもがな、仏教での「稲荷神」は荼枳尼天だ。 信者時代には「荼枳尼天」の礼拝次第を自分用に作って毎日欠かさずお勤めしていた。 ※表紙が劣化して…

准胝佛母と求子(子宝)

准胝佛母は、「求子の祈祷(子宝祈願)」がよく行われていた歴史がある。 「准胝仏母は平安時代に貴顕の間で子授けや安産祈願の対象とされた」 「聖宝理源大師が、世継ぎに恵まれなかった醍醐天皇の為に准胝観音菩薩の修法をしたところ、後の朱雀、村上の両…

荼枳尼天の詳細なレポート

ブログの読者でもあり、准胝院の信者さんでもある方から、荼枳尼天に関する詳細なレポートをいただきました。 その方は、荼枳尼天でも豊川稲荷について、信仰、造詣がとても深く、巷では聞くことができない程の詳細な荼枳尼天に関する知識をお持ちでした。 …

お狐様の修繕 再び

帰宅して、この光景を見て目眩がしました……油断していたわけではないが、またしてもしゃみぃにやられました。以前にやられたお狐さまが、ようやく修繕の目処がたっていたのに……(あと塗るだけ↓) 今回も石粉粘土で補強。少しぶ厚めに粘土を盛って、後で削り…

お狐さま!

いつかやると思ってました……もちろん犯人はこの娘です(ΦωΦ) 真剣に「対策」をしないと、ついにはしゃみぃの異名が「破壊の女王」になりかねない……さて、材質は「陶器」だと思いますが、仏像修繕同様に「石粉粘土(いわゆる石膏)」でなんとかなりそうです。…

仏像配置の話 その2

昨日の記事で「焔摩天を別の壇に配置した」ことについていくつかコメント頂いたので、もう少し深堀してみようと思います。 仙台宅の配置では下記の通り准胝仏母→四臂観音→焔摩天が段の高さを替えながら行者に近づいてくるという配置でした。 仏部である「准…

仏像配置も修行?

本堂の「尊格配置」について。 すでに長い歴史を持つお寺なら、その仏像の配置を勝手に替えるなんてことはないとだろうと思いますが、これも実際のお話を伺ったことがないので何とも言えません。 ただ自分で道場、教会を開くとなるとその本堂の仏像配置はそ…

荼枳尼天 完成

荼枳尼天、これで本当に完成とします。 前回の画像からそんなに変更点はありませんが以下の点、修整しました。①白狐の顔を朱を入れて、かつ額に紋様をつけました②頭上の黄狐の顔を塗り直しました③荼枳尼天さまの胸に金、碧の模様を入れましたまた、厨子への…

荼枳尼天は速い!だから優しい!?

荼枳尼天の験は「速い」と聞く。 なぜか? 『その狐は金翅鳥が翼をひと「はばたき」で一千里飛ぶが如く疾走する(其狐疾走如金翅鳥一翼翔一千里) 「刀自女経」に依る荼枳尼天が乗る白狐の描写である。 狐の走力を「金翅鳥」に例えるのは不思議な感じがする…

荼枳尼天像 完成間近!(写真追加)

以前から何度となく記事にした製作中であった荼枳尼天像……彩色で苦労しまくりました(泣) なにぶん初めての試みで、なかなか思ったように出来ず、危うく挫折しそうになりました…… 自分がイメージしていたクオリティーにはとても届きませんが、一旦どこがで…

雲座はご存知ですか?

来迎図では沢山の仏さまが雲に乗ってやってくる絵は多くの人も見たことがあると思う。しかしこと彫刻となると阿弥陀三尊像でも雲座まで作っている例はそれほど多く見かけない。 有名なところとしては平等院鳳凰堂の「雲中供養菩薩」でしょうか。 天部尊では…

『古今著聞集』と『刀自女経』

刀自女経という荼枳尼天の功徳を説くお経について何度か触れたが、私も自分なりに調べていく中で下記のような論文を見つけた。 『古今著聞集』管絃部二五六話の福天縁起について~ダキニ法と『刀自女経』をめぐって 猪瀬千尋 面白いのが1245年という鎌倉時代…

妥協は駄目?!

「修繕」をしていた荼枳尼天さま。守護神をお願いしているご尊格故に自分にご縁のあるお姿と考えた。ならば、得度してすぐからずっとお唱えしていた「刀自女経」を忠実に再現することにした。 元のお姿の面影は全く無い(↓元のお像) 「ここまで」とは、全く…

雲に乗る黄狐

荼枳尼天さまの頭に乗せる「黄狐」 仏画に見るお姿は、置物のように小さ過ぎて(頭に頂くので仕方ないが)遠目に見えないものが多い。だから頭の上だとどうしても小さくならざるを得ないので思い切って雲にのせて、お姿も大きくした。大きいと言っても女神さ…

刀自女経

得度して間もないころ、荼吉尼天をお迎えするにあたり師僧より「荼吉尼天尊・稲荷大明神礼拝次第」をいただきこの次第書にある「刀自女経」をよくお唱えするよういわれひたすらこの経を拝んでいたことがある。 www.yamasa-bunseido.com 私がお迎えするお像の…

山形にある稲荷信仰のお寺

仏教における稲荷信仰の霊場といえば愛知の豊川稲荷、高松の最上稲荷が有名ですね。 ではそれ以外の霊場ご存知ですか? 実は山形に「神仏混淆の寺」として白狐山光星寺(曹洞宗)があります。東北にいながらも実は私もつい最近知ったのですが(汗) sotozen…

荼枳尼天は宝珠の狐に乗る

荼枳尼天が跨る狐さまが、実は宝珠の輪郭をしていた事に破損したお像を見るとこではじめて知りました。こういった事は儀軌にも記載があるんでしょうかね…… ここまで破損しているとオークションでもダレも札を入れない。 スタート価格が3000円だったので、念…

平清盛と荼枳尼天

『源平盛衰記』全釈(三―巻一―3) 著者早川 厚一, 曽我 良成, 橋本 正俊, 志立 正知 という論文を見つけて読んでみたら、なかなか面白かったのでちょっと紹介します。 『源平盛衰記』といえば『平清盛などが荼枳尼天の修法を行っていたといわれ、『源平盛衰…

荼枳尼天と准胝仏母の関係

昨日は荼枳尼天の話をしましたが、荼枳尼天とご本尊の准胝仏母との関係はどうでしょうか? 「なぜそんなこと気にするの?」 といういことなのですが、私は「ご縁のないご尊格がくることはない」という強い持論を持っています。 「縁」にはいろいろあると思い…

荼枳尼天の持物に思いを巡らせる

私がはじめてお招きした「天部尊」は「荼枳尼天」です。厳密には「智剣」と「宝珠」を持つ密教の荼枳尼天ではなく「鎌」と「藁束」を持つ所謂「最上稲荷(高松稲荷)」のお姿をした「荼枳尼天」です。 「鎌」と「藁束」から連想するイメージは「稲荷=農耕豊…

狐に乗る尊格たち

お気に入りの動画を紹介します。 お狐さまにのったご尊格のお御影が沢山紹介されています。 youtu.be 我々が良く知る「荼枳尼天」「飯縄権現」「秋葉権現」という枠には収まらない神さまも沢山いらっしゃいます。 最後の八臂像が凄いですね。一見「弁才天」…

小さなお守り。空飛ぶ智慧の女神からの贈り物

探せど、探せど見つからず…… 忘れたころに「ひょい」と探し物が見つかる経験。 ありませんか? 「確かここは何度も探したはずなんだけど?」 と不思議に思うが、そこにあったのだからきっとその時は「見損ねていた」と思うのだが感覚的に納得できない。 * …

ご本尊と守護神

私を含めた一門のお弟子さんは、みなそれぞれ「ご本尊」が違います。 実際に同期の兄弟弟子を見渡してもことごとく全員違ったご尊像です。 曰く、准胝仏母(私)、地蔵菩薩、如意輪観音、勢至菩薩、十一面観音菩薩…… また一門上座のご住職のお寺でもそれぞれ…

荼枳尼天との出会い

仏教を学び始めて「ご縁」ということに感謝することが日常になりました。 野暮と分かりつつも、敢えて分析的な言い回しをすると、何事も「縁」を意識した思考回路が徐々に培われてきた、と言えばいいのでしょうか。 さて、そのご縁の中でも私が仏教で生きる…