准胝院のブログ

八王子市で准胝仏母を本尊とする天台寺門宗祈願寺院「准胝院」のブログです。准胝仏母祈願、不動明王祈願、人型加持(当病平癒)、先祖供養(光明供)、願いを叶える祈願(多羅菩薩)、荼枳尼天尊(稲荷)の増益祈願等

仏像の話

龍の鼻が長い!?~獏とマカラとの共通点~

先に「尊星王菩薩」が乗る「龍」が、「ナーガ」というよりは四つ足の霊獣に姿が近いという話をしました。 ryona.hatenadiary.jp この記事では、龍に似た霊獣として「麒麟」「龍馬」を引き合いにだしました。ただ、その後、この記事に対して、興味深いコメン…

美しい仏像と鎌倉殿の13人

私が最も好きな仏像は、40年前から変わっていない。 その仏像は中学時代の初恋だという、なんとも青々しい(恥ずかしい?)話をこのブログでもした(汗) ryona.hatenadiary.jp これは「宗教者」の立場というよりは、仏像鑑賞者の立場として、という意味合い…

仏像配置の話 その2

昨日の記事で「焔摩天を別の壇に配置した」ことについていくつかコメント頂いたので、もう少し深堀してみようと思います。 仙台宅の配置では下記の通り准胝仏母→四臂観音→焔摩天が段の高さを替えながら行者に近づいてくるという配置でした。 仏部である「准…

仏像配置も修行?

本堂の「尊格配置」について。 すでに長い歴史を持つお寺なら、その仏像の配置を勝手に替えるなんてことはないとだろうと思いますが、これも実際のお話を伺ったことがないので何とも言えません。 ただ自分で道場、教会を開くとなるとその本堂の仏像配置はそ…

文殊菩薩と般若菩薩は同体?

前回に引き続き、文殊菩薩シリーズ第二段。今回の話題もコメントでいただいた「文殊菩薩が覚母」と言われるように「仏母」としての属性もあるのでは?という質問について私なりに調べてみました。特に般若菩薩(般若仏母)との比較をすることで考察していき…

文殊菩薩と青蓮華

先に多羅菩薩(ターラー尊)の記事を書いた際に「青蓮華」に触れました。 ryona.hatenadiary.jp その記事に「文殊菩薩も青蓮華を持つ」というコメントを頂いたのでそれについて少し調べてみました。 文殊菩薩と言えば「三人寄れば文殊の知恵」という諺で聞く…

荼枳尼天 完成

荼枳尼天、これで本当に完成とします。 前回の画像からそんなに変更点はありませんが以下の点、修整しました。①白狐の顔を朱を入れて、かつ額に紋様をつけました②頭上の黄狐の顔を塗り直しました③荼枳尼天さまの胸に金、碧の模様を入れましたまた、厨子への…

聖観音菩薩像

世の中に、最も多くある仏像はおそらくお地蔵さんと観音さまがツートップであることに異論のある方はいないと思う。 しかしながらそんな数多くある観音さま(聖観音菩薩)でも「造りの良い像」は案外少ない。特に現代作家さんの観音さまは今風過ぎて観音さま…

十一面観音のお顔を作る

少し前の記事で「十一面観音さま」のお話をしたときに、頭にあるお顔が彫られていないお像が手元にあるという話をしました。 ryona.hatenadiary.jp 馬頭観音の光背が完成したら、少しづつ彫り始めるという話をその記事で書きましたが、宣言通りスタートしま…

馬頭観音の光背完成(馬頭観音修繕「完結」)

兼ねてから記事にしておりました、馬頭観音の光背ですが、ようやく完成しました。 遠目なら、全くいいのですが、近場でみるとかなり「雑」ですね~汗。素人の初チャレンジなので、まあこのくらいのクオリティーでご勘弁。 途中、あまりに「凸凹」で「歪み」も…

感情に巻き込まれないための『檀拏幢』

先日の記事で「鎌倉の仏像写真集」が沢山押し入れから出てきたという記事を書きました。前回は「当時好きだったお像」をピックアップしてご紹介しましたが、今回は「当時全く興味がなかったお像」だけど「今回(今現在)めちゃくちゃ気になったお像」を一つ…

鎌倉の美しい仏像たち~少年の初恋!?

今日、押入れを整理していたら、仏像マニアだったころ(今もか!?)、夢中に買いそろえた鎌倉の仏像写真集が沢山出てきた。 「なぜこれほどまでに鎌倉の仏像ばかり!?」 と思われる思うが、もちろん理由はある。 実家は埼玉県。仏像が好きになった小学生時…

倶利伽羅龍王さまのお像

私には「気になるお像があるとすぐに手に入れたくなる」という悪癖?があります。これはこのブログの記事で何度も書いている通り「信仰」の前に「仏像マニア」という経歴を併せ持っているために「お像」への関心が高いのは自他共に認めるところです。 そのた…

聖なるものは「形」に宿る~儀軌の話~

昨日の記事でいかにも話しかけてきそうな「狛犬」の話をしました。 その記事では「形」の中に、神が宿る可能性(心理学的には集合無意識化する可能性)について考察してみました。 さて、「偶像崇拝の禁止」というフレーズは、ここの読者の方ならきっと耳に…

もう一つの如意輪観音の姿について

ジミヘンドリクスの「背面弾き」って知ってますか?ロックギターの好きな人ならきっとどこかで「この写真」を見たことあることと思います。 この弾き姿のことです。 ameblo.jp なんでいきなりジミヘン?ということなんですが(笑)…… 昨日紹介した「反弾琵琶天…

仏像修理の話

ちょっとバタバタしており、2日更新が開いてしまいましたね(^^;) さて、今日は仏像の修理について突っ込んで書いてみようと思います。あまり皆様がなじみのないお話だと思いますが、是非お付き合いください! お寺や、密教や修験道を修行する行者でもなけれ…

狐に乗る尊格たち

お気に入りの動画を紹介します。 お狐さまにのったご尊格のお御影が沢山紹介されています。 youtu.be 我々が良く知る「荼枳尼天」「飯縄権現」「秋葉権現」という枠には収まらない神さまも沢山いらっしゃいます。 最後の八臂像が凄いですね。一見「弁才天」…

小さなお守り。空飛ぶ智慧の女神からの贈り物

探せど、探せど見つからず…… 忘れたころに「ひょい」と探し物が見つかる経験。 ありませんか? 「確かここは何度も探したはずなんだけど?」 と不思議に思うが、そこにあったのだからきっとその時は「見損ねていた」と思うのだが感覚的に納得できない。 * …

仏像にまつわる奇跡の話

仏像にまつわる、感動的な奇跡のお話を紹介します。 二体、離れ離れになっていた仏像が奇跡的な偶然で再開した、という話です。 ところで仙台市民にとって愛すべき2人の存在があります。 誰でしょう? 仙台市民ならマッハで回答できると思いますが(笑)さとう…

街中を歩く大仏 ~仙台大観音~

私が今住んでいる家は常に上空から観音さまに見守らています。 「え?何言ってんの?」 と思った方もいると思いますが、その我が家を見守ってくれている観音さまというのは実は仙台市民なら誰でも知っている「仙台大観音」です。正式名称は「仙台天道白衣大…

荼枳尼天との出会い

仏教を学び始めて「ご縁」ということに感謝することが日常になりました。 野暮と分かりつつも、敢えて分析的な言い回しをすると、何事も「縁」を意識した思考回路が徐々に培われてきた、と言えばいいのでしょうか。 さて、そのご縁の中でも私が仏教で生きる…

観音の精髄・六字大明尊と准胝の関係

前回までの記事は少し、マニアックな方に話を振り過ぎたので、今回は少し軽めの話をします。 さて今回は「仏像」の話をしたいと思います。 いや、いままでもほとんど尊格の話だったのですが…… 私がはじめて「仏像」を「祈る」ことを目的に自宅にお招きしたの…