先日ご紹介した、十六善神図に描かれている准胝仏母は胸の前で説法転法輪印を結んでいる。
しかしご本尊のお像は違う印相だ。
日本の普及している准胝尊はほとんど、十六善神図の准胝尊と同じく胸前で説転法輪印法を結び、中国、台湾のお像はほとんどうちのご本尊と同じ印を結んでいる(このお像がそもそも中国で作られたものだが)。
現在の「准胝観音」という用語のウィキペディア解説は、私が随分前に印刷しておいた内容と比較するとかなりの違いがある。具体的には現在のページはかなり内容が薄くなっている。だから今のページでは確認のしようがないが、その昔のページにはこんな説明が書いある。
「(准胝尊の)手印は「甲冑印」を説法印とし、これが准胝根本印となるが、その印相には各種のバリエーションがある」
説法印といえば転法輪印と想像してしまうが、うちのご本尊のような甲冑印が説法印だとという説明だ。
実はこの「違い」については過去の記事でも話題にしてる通りで、淵源的には(インドのチュンディー女神のお姿は)日本で見られる転法輪印。
だから中国で普及しているお姿は後年、具体的には宋の時代以降に中国の顕密一致によって多大に流布した准胝尊のお姿のようである。
それは上記した、昔のウィキペディアの文章は「注釈」として「准胝修法顕密円通成仏要網」「尊那仏母諸説陀羅尼修法要」との参考文献がクレジットされているので間違いないように思われる。
今、自行にて修している准胝供。上記のことを知らずに説法印=転法輪印と決めてかかていたなら、観想部分で「うちの本尊違うんだけどな」と変な雑念が入るところだったが……そうならずに済んだ。
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