数日前、夜拝をしていると、白い「塊(かたまり」のようなものが上方から「ひらり」と左の視界の端を横切った。
本堂に看板猫の「白猫みいこ」がいれば、その塊の犯人は「白猫みいこ」なのだが、その可能性はない。
それは本堂に「みいこ」が入ることはまずないからだ。
だったら今、私の視界の端を横切った白い塊はなんなのだ?
ここで「霊的な何か」を期待した人もいるかもしれないが?(私も一瞬そう思った)残念ながら?そんな話がそうそうあるものではない。
実は師僧からのご助言もあり、多羅菩薩をお迎えすることになった。私の場合、そうなるとお像は「自作する」ということになる。
先週の土曜日には、師僧に「お姿」の相談もさせていただきおおよそ形も決まった。
早速その日から作成に入り、胴体と両脚をラフにつくって、その制作途中のお像ををテーブルの端に座らせていた。今度のお像は少し大きめに作ろうと思っているので割と重量があったということもある(台を入れて50cm程度と思っている)
だからそれなりの大きさがある作りかけのお像で、しかも石膏(石粉粘土)なので作成途中は真っ白。それが前のめりに倒れしまったので、テーブルからかなり派手に転がるように床に落ちてしまったのだ。
もっと「ひらり」という感じがしたのだが、この作りかけのお像の落下が、視界を横切ったものの正体だろうと一応納得した。
不思議があったとすれば、数時間ずっと安定してそのお像はテーブルに座っていたはずなのに、夜拝がはじてまった途端、まるで私の礼拝を待っていたかのようなタイミングで落下したことだろうか。
さて、床に落ちてしまったその「お像」を見ると、せっかくつくった両脚が、落ちた衝撃で明後日の方向を向いてしまっていた。
「あ~あ、また作り直しだ」
と落胆の声が漏れた。
しかし、考えようによっては「この脚の形は、違う!直しなさい!」というメッセージかもしれないとポジティブに考えることにした。
事実、仏像を作成していると、彫り損ねる、力を入れ過ぎて手足を折る、首を折る、同体がおれる等いろいろなトラブルは起こる。
そんな時は毎回「また作り直しだよ」とブルーな気分で作業をするのだが、作り直してみると破損以前には思いもよらなかったアイデアが具現化して破損以前よりもいいものに仕上がることが多くある。
だから今度もきっとそうに違いないと思うことにした。
今回、意図せず破損した(緑)多羅菩薩の「両脚」に関してを再度確認する。
バリエーションとしては、チベットの場合はその姿に全くブレがなく緑ターラーは遊戯座の一択。日本の場合は、胎蔵曼荼羅蓮華院のお姿と十巻抄のお姿という2種があるが、どちらも半跏坐。個人的には、両脚の形だけはチベット風に遊戯座を選択しようと思っている。それは「衆生をすぐにでも救うために、足を一歩踏み出している」という意味合いは取り入れたいから。
尊星王は作成に半年かかってしまったが、今度の多羅菩薩は目標一か月。どんなに遅くても三か月では仕上げたいと思っている。
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