『ちょっと箱が大きいので注意してください』
そう宅配業者から言われて受け取ったのは、高さが60~70cm程もある段ボール箱。
昔の私なら「仏像」を注文してこのような大きなサイズの箱は時折、配達されてはいたのだが、最近は仏像は自作するので「はて?何を注文したっけ?」となった。
送り状を見ると『茶碗蓮』と書いてある。
「蓮」の文字は気になったが、「茶碗蓮」という名前に見覚えはない。
「あ、私が頼んだの」
法名が「蓮奈」と「蓮」の文字があるからだろうか?どうやら妻の「蓮奈」が注文していたらしい。
なんと「茶碗蓮」とはつまり茶碗に入った栽培用の蓮のことだった。
「へえ」と私が感心した。
小さな3LDKの小さな民家。猫の額ほどの庭。それでも少しは「お寺らしく」という配慮もあったらしい。
譬如高原陸地不生蓮花、卑湿淤泥乃生此華(維摩経)
(例えば、美しい蓮は高原の陸地には咲かない。泥水の中だからこそ蓮は咲くのです。)
今更、私が蓮の持つ仏教的な意味を解説するまでもない。
見れば、蓮のつぼみが一つ。
観音さま持つ蓮華は「未開敷蓮華(みかいふれんげ)」。今にも咲きそうな蓮のつぼみ。悟りを約束されながらも菩薩として働く観音さまの姿だ。
このつぼみはまだまだ小さくて、開花するのは先になりそうだ。未開敷蓮華よりもっと前の状態かな。
その可愛らしいつぼみをみて『まだまだ未熟な私と妻にはピッタリだな』とほくそ笑んだ。
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