『曼荼羅?なんか難しい!』
そう思う人が多いと思います。
密教の行者で、また尊格学には割と興味がある私ですら、例えば胎蔵曼荼羅や金剛界曼荼羅に見られるおびただしい数の仏さまを全て把握するのは骨が折れる。
曼荼羅という言葉自体は仏教以外の場面でも比喩的に使われることは多いでしょう。
しかし、こと密教でいうところ曼荼羅といったら上にも書いた胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅の所謂両部(両界)曼荼羅のことを指す(日本の場合)といって良い。
さて、今日のタイトルにある「別尊曼荼羅」とは?上記以外の曼荼羅のこと。
一つの参考書をご紹介します。
写真にある通り『祈りと現世利益の仏たち』というタイトル。そして、そのサブタイトルに「別尊曼荼羅の世界」とあります。
タイトルからこの本は「現世利益」が強調される。
そのサブタイトルが「別尊曼荼羅」となっているのがポイントでしょうか。
この参考書から「別尊曼荼羅」についての解説を少し抜粋してみます。
『密教の教理を尊像によって体系的に示した両部曼荼羅は「都会(とえ)曼荼羅」「普門の曼荼羅」とも称される。都会とは本尊たる大日如来の働きを表わした尊格』
「都(すべ)ての尊が一会に顕現している」という意味(中略)に対し別尊曼荼羅は、総合の両部曼荼羅に対し個別の働きを示した曼荼羅といえる。すなわち都会曼荼羅上に描かれた数々の尊格の中から個別の尊格、たとえば不動明王とか聖観音菩薩といった尊格を選び出し、その尊格を中心に曼荼羅として構成したものを別尊曼荼羅と称したのである」
『大日如来を本尊とせず、大日如来の眷属の一人を本尊として描いた曼荼羅であり、現世にある人々の願いに応じた直接の働きかけを目的としたものである。』
真言宗には大日如来を祀るお寺は沢山あるが、「大日如来以外を主尊とする」という部分については、多くの寺院では大日如来以外が主尊になっていることは多い。むろん当道場でも准胝仏母がご本尊だ。
大日如来以外の、例えば私が准胝仏母の修法をする時は、そのご本尊のご眷属である、八大菩薩、難陀龍王、跋難陀龍王が当然想定されている。お寺には本尊のご眷属も一緒に祀られることも多くある。
このような眷属を一緒に祀ればある意味、別尊曼荼羅と等しくなる場合もあろうかと思う。東寺の立体曼荼羅として有名な羯磨曼荼羅と安易に比較はできないと思うが、平面なのか、三次元なのかの違いはあれ上述の別尊曼荼羅の存在意義は理解できる。
ただ別尊曼荼羅と言っても様々なものが存在する。本書のタイトルにある通りに、個人的には現世利益のために生まれたと言い切ってしまえる程単純ではないと思われる。
ご参考、本書の目次です。この他に種字曼荼羅についても詳しく解説されています。
私が目を引いたのは、先日仏像作成し、仏画も描いた尊星王が主尊の北斗曼荼羅と、道場にもご尊像がある焔摩天の曼荼羅。
下の写真は表紙の北斗曼荼羅の主尊、尊星王菩薩(上記本の表紙より引用)。
(参考:当院の御影……持物は少し違います)
本書では目次にある三十六種の別尊曼荼羅は、現代の数人の絵師の方が白画で描かれています。是非一読をお勧めします。
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