このお軸が、手元に来てから既に7~8年は経過していると思います。
当時の私には「過ぎた代物」として、その後、発遣(抜魂)してから封印していた軸です。
先日、師僧からも許可もいただけたので『般若理趣分』の密立で、自身で開眼することにしました。
今後は、大黒天の御縁日には、積極的に『般若理趣分』でこのお軸を拝んでいこうと思います。
大黒天と言えば「福の神」で増益の印象が強いと思いますが、それとは別に「疫病退除の神」としての顔を持ちます。
このお軸はまさにこれ。
このお軸には以下の様な、天保年間に書かれた文書が入っていました。
「衆病悉除、身心堅固、疫病神退除」とはっきり書いていますね。
中央に描かれているのは、大黒天の本来のお姿である『摩訶伽羅天』です。「マカカラテン」「マカキャラテン」と発音します。これは言わずもがな「マハーカーラ」の音写です。
さて、お軸の『摩訶伽羅天』の下にいある童子は誰でしょう?
答は「七母天」です。この七母天のことを音写した呼び方が「マタリ(マートリカー=母の意)」となるんですが、上の写真にあるケースの文字に注目してください。麻怛利神(またりじん)の文字が見えます。
「すると主役はむしろ七母天?」と思わせる名前になっています。
ちなみに「七母天」と関係深い天尊としては、摩訶伽羅天と共に焔摩天がいる。焔摩天も七母天を眷属とし、先日紹介した別尊曼荼羅の「焔摩天曼荼羅」にもそのメンバーの一部が描かれています。
それもあってか、魔訶伽羅天はよく焔摩天と同一視されます。
さらに言っておくと、この焔摩天曼荼羅には七母天と並んで荼枳尼天が描かれます。 つまり焔摩天、七母天、荼枳尼天は同族という話です。
結論は、ご本尊の准胝仏母の延命に強く関わるのが、眷属の焔摩天。
その焔摩天の疫病神としての性格を強くサポートしてるのが七母天。
よって、この軸も准胝仏母をご本尊する当院に来るべくしていらしてくれた、と私は思っています。
だからこそその想いに応えるべく真摯に拝もうと思うのです。
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