地道に密教修行

天台寺門宗の祈祷寺院にて密教の修行しております「亮和(りょうな)」と申します。修行、信仰を通じて感じたことなどを綴っていきます。※過去(本格的な修行前)に「地道に観音信仰」というブログを運営しておりました。どうぞ気楽にコメントいただけると嬉しいです!

夏目友人帳の密教行者像

 「蟲師」「となりのトトロ」と「妖怪」がらみのアニメ紹介をさせてもらいましたが「妖怪アニメ」と言えば忘れてはならない作品がありますね。

 

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ゲゲゲの鬼太郎?……違います!

 

夏目友人帳です。

youtu.be

  かなりライトな作品なので、例えば「蟲師」に比べるとよりエンタメ要素も多く視聴者を選ばない人気作品ですね。私が今更紹介するまでもないのですが。

  ただ今日は、行者の端くれらしい「ネタ」をこの夏目友人帳で語りたいと思います。

  この作品の主人公である美少年「夏目貴志」は、いわゆる「視える人」です。ただこの作品の世界観では「幽霊らしい存在」は出てこない印象で、視えるのは「妖怪」や「神」と言った存在に限られます。

  恐らく作者の緑川ゆきさんは、かなり民俗学者柳田国男」氏の所謂「柳田民俗学」の影響を受けているように感じます。

 ちなみに柳田氏の著書『妖怪談義』の中で柳田氏は「妖怪」と「幽霊」の違いを定義していて「幽霊は場所を選ばずに特定の人のもとに現われる」としているのに対し妖怪は「出現する場處が大抵は定まつて居た」としています。

  この夏目友人帳のこのような世界観について、「妖怪学」で考察する面白いページを見つけたので紹介します。

www.sansaibooks.co.jp

 さて、今日の話のメインは、このような「妖怪談義」ではなく、上述したように「行者視点」でこの作品を語りたいと思います。

  この作品に『祓い屋』と呼ばれる怪奇現象を解決する人たちが登場します。この人たちはどちらかと言うと先天的な能力を持った「霊能力者」「陰陽師」「まじない師」といった描かれ方をしています。

  だから『祓い屋』は妖怪を見ることができるし、妖怪を封じ込めることもできたりします。

  ただ、なんとこの作品に密教の行者が登場します。それは主人公夏目の友人「田沼要」の父です。そしてこの密教行者としての「田沼父」の描かれ方が結構「リアル」なんです。

  作品中、この密教行者である田沼父は上述した『祓い屋』とは明確に、描き分けられています。『祓い屋』は先天的な能力者なので妖怪を見ることができるのですが、「田沼父」はあくまで修行で身に付けた「法の力」によって「妖怪を寄せ付けない」という描かれ方をしています。だから田沼父は妖怪を見ることができないんだけど、どんな妖怪でも田沼父の法力を恐れて近寄れない、そんな設定になっています。

 ウィキペディアの説明分も紹介しておきますね。

 『田沼の父:下の名は不明。心優しい性格の持ち主で、息子と同じく妖力は無いが、修行により身についた強力な法力を持つ。背中には神格レベルの妖が憑依しており、見える人には後光が差したように見える。ただ妖の心は人とは異なるため、本人は気に入っていても近親者まで護るとは限らない。このため要が妖の影響で虚弱だった。ニャンコ先生によれば本人には自覚が無いとのこと。』

 先にこの田沼父の描かれ方がリアルだな、と書いたのは「先天的な能力」が関係なく「法を身に付ければ」視える、視えない関係なく「法が効く」というところ。

  よく「霊能力を身に付けるために密教修行をしたい」という、妙なことを話題にしている人がいますが、この作者さんは密教ってそういうものではないことを少なくとも理解されているように感じます。

  ということで「蟲師」「夏目友人帳」は世界観がまた少し違うので両方見比べてみると面白いと思います。

  ちなみに私は「蟲師」が好きなんですが、かみさんは「夏目」が好きなようです(笑)

 

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