先週、ついに10年と言う長きにわたり世界中のアニメファンに感動を与え続けた「進撃の巨人」が完結しました。
漫画原作は既に終了していたので、結末を知っている人は大勢いたはずです。この進撃の巨人の「アニメ版」は非常にクオリティーが高く、「原作以上」の評価をされていたので、原作派も「あのラストはどうアニメで描かれるのか?」と待ち望んでいた。さらには、「アニメのラストを見るまでは最終巻は読まない」というファンもいたようです。
私も原作は既に読了済で、結末は知っていましたが、それでもこの最終回は楽しみでした。
そして、その最終話を見た後私は、X(twitter)に仏教徒らしい?感想を軽くつぶやきました。
こんな私のつぶやきに、焔摩天に関するとても興味深いリプライ(返信)いただけたので紹介したいと思います(許可いただきました)。
考察頂けたたのは雨音村雲@藤浪永理嘉@amane_murakumoさん(日本、アジアの歴史研究家の方だと思います)。この方の投稿はいつでも内容が濃くて、知識の幅があまりに広くて毎回驚嘆しつつ記事を読ませていただいています。
さて、以下、雨音村雲さんにリプライ頂いた「ユミル」と「焔摩」に関する詳細な解説です。
ユミルは、ミカサによって2000年の呪いからようやく開放されて成仏。でもそれを成すためにユミルはエレンが人類の八割を虐殺するよう仕向けた訳だからねぇ。今度は2000年より長い無限地獄に落ちるのかぁ……なんて心配するのは仏教徒の野暮な想像です*1#進撃の巨人完結編
— 里見亮和(僧侶) (@lQQznyjr3d4XhpR) 2023年11月8日
(里見)始祖ユミルは、ミカサによって2000年の呪いからようやく開放されて成仏。でもそれを成すためにユミルはエレンが人類の八割を虐殺するよう仕向けた訳だからねぇ。この先は2000年より長い無限地獄に落ちるのかぁ……なんて心配するのは仏教徒の野暮な想像です。
(雨音村雲さん)ユミルの語源って閻魔天(ヤマ)さまと同じ(人間と巨人の始祖)なのでまた業が深い...
※印欧祖語のエモ(双子、兄弟、両性具有、対などの意。英語のジェミニ)元々ユミルって北欧神話の巨人族のその名前なんですが、この場合だと「両性具有」になります。男女の性を兼ねていてそこから巨人族が生まれた。で「アウズンブラ」と言う乳を流す「牝牛」と共にいた。そしてインド神話のプルシャみたいに解体されて世界ができた。
イラン神話だと大分閻魔天さまの原型に近づきます。太陽神ウィワフワーント(インドだとヴィヴァスヴァット)の子。聖なる王で輝けるイマ(イマ・フシャエータ)と呼ばれます。
イマ王じたいにあんまりヤマ神的要素は無くて精々人類の王権の祖である事と光明神ってだけですが、別の原人が登場しその方がガヨー・マルタン(死にいく命)って名前でゲウシュ・ウルヴァーン(牝牛の魂)って言う名の牡牛を伴います。
リグ・ヴェーダに両性具有の牡牛の姿のアスラが登場したり、閻魔天さまと閻魔天后(ヤミー)さまが兄妹だったりするのはここら辺のインド・ヨーロッパ祖語の神話に由来する非常に古い神話ですね。
ロムルスとレムスなんかもこの原型に遡れるようです。
たまたまつぶやいた内容が、焔摩天の起源に関わる内容だったのは、きっと焔摩天の親分である准胝さまの粋なお計らいがあったのだと思っています(笑)
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