私は昼間、急激な眠気に襲われることが良くあります。
そんな折……
「夜中、呼吸止まってたよ」
そう言って、かみさんから見せられた自分の寝ている時の動画。
高いびきがうるさすぎる動画の中の私は、途中で30秒程、確かに呼吸が止まっていた。
実は、日中に眠気があることと、周りから「いびきうるさい!」と言われ続けていたので薄々自分が「SASではなかろうか?」という疑いはあった。
ちなみにSASの定義は以下の通り。
『一晩(7時間)の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸気流の停止)があり、そのいくつかはnon-REM期にも出現するものをSASと定義します。 1時間あたりでは、無呼吸回数が5回以上(AI≧5)でSASとみなされます』
……う~む!怪しいぞ!
SASとは睡眠時無呼吸症候群のSleep Apnea Syndromeの頭文字をとって「SAS」で、「サス」と発音しますね。
SASと言えば、その昔「新幹線の運転手が居眠り」したことで、いきなり注目された病名であることをご存知の人もいるかと思います。
しかし「その昔」と表現したようにこの事故は「2003年」ですからかなりの昔です。
私は医療機器に関連する企業にいるので、このあたりの情報はちょっとばかり詳しいので、今日は少し仏教ネタから離れてSASの割と詳しめな解説をしてみようと思います。
中高年の方は知ってて損はしない情報だと思いますよ!?
さて、実は今「SAS」に関する業界の認識は、2003年当時騒がれたころと比較して「一変」しています。
「SAS」というのは「睡眠時無呼吸症候群」の名の通り、「寝ている間に呼吸が止まる」ことで起こる「不都合(症状)」のことです。
真先に思うのは「呼吸が止まると、酸素が取り込まれなくて困る」ということですが、実は最も問題視されたのは「酸素化」ということではなくて「眠気」です。
これは新幹線の運転手が「居眠り」によって「事故を起こした」ことでも理解できると思います。
ではなぜ「呼吸が止まる」ことが「眠気」に繋がるか?というのは・・・
単純な話で呼吸が止れば苦しいですよね?「うわ!苦しい!」とどうしても「睡眠が浅くなる」という状態になります。
呼吸が止まる度に、いちいち睡眠が浅くなっては、身体は堪りません。でも本人は完全に覚醒してはいないので、これに気づいていないことがほとんどです。
「なんか朝の目覚めが悪い」「昼間メチャ眠い」「倦怠感が抜けない」「朝起きたときに頭が痛い」「何もする気が起きない」etc・・・
などの症状を自覚するものの・・・その原因が「SAS」というところまでなかなかたどり着けない。
しかし、自分でも自覚のないまま、起きているときの活動にも支障をきたし、居眠りや集中力不足による重大な交通事故などを引き起こすことが最も深刻な問題とされました。
つまりは「SAS」というのは一言で言うと、「睡眠障害」といことになります。
だから、昼間に異常な眠気を感じる人は、自分が自覚しなくとも「SAS」という可能性が多いにあります。特に「いびき」をかく人は、要注意です。悪いことはいいません。(私のように)いびきをかく人は是非とも一度、SAS検査をしましょう・・・
さて、ここまでが実は2003年当時の話。
このようにSASが睡眠障害であることが、最も重要なポイントであることは間違いありませんが、先に記しましたように、今は「それだけ」では無くなっています。
それはこの言葉に集約されると思います。
『SASは寝ている間に循環器病を作っている』
『いびきを指摘されたら心臓病の検査をしましょう』
「SAS」は単なる「睡眠障害」ではないというのが今の常識になっています。
過去に「SAS」と「心臓病」との関係なんて話はあまり聞きませんでした。
ただ今や『高血圧や糖尿病、心臓病』・・・つまり『生活習慣病』の多くが実は『睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれない』とまで言われています。
生活習慣病の人・・・いっぱいいますよね?この人たち全員に「SAS」の疑いが掛けられているということです。
これはちょっと驚きですよね。
つまり『別に眠気ないけど?』という人でも「高血圧」「糖尿病」「心臓病」を患っている人が実は「もともとSASが原因だった」ということが、想像以上に多いということが分かってきたのです。
だから最近では「循環器医」の専門医には「SAS検査」の用意がしてあることが殆どです。
多くの研究結果があるようですが、たとえば米国で18年間にわたってSASの患者さんを追跡調査した研究では、SASの患者さんが循環器病で死亡するリスクは健常者の5.2倍も高いことが報告されています。
またSASの患者さんの約半数に高血圧が認められ、なんと高血圧患者さんの約30%はSASを合併しているそうです。
30%ですよ?これは看過できませんね。
また睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧は単なる合併症ではなく、SAS自体が高血圧の原因であるとも言われます。
高血圧は万病の元ともいわれさまざまな生活習慣病の原因となりますから、つまりはSASが万病の元といっても過言ではないとまで言われています。
「薬飲んでも血圧改善しないんだよなあ~」
と言う方、SASが原因である可能性を疑いましょう。SASが原因の高血圧の場合は、血圧を下げるために薬を飲んでも残念ながら効果がないです。まあ当然ですね。
しかし、元疾患であるSASを治療すれば、高血圧も改善し、多くの合併症を改善することにつながります。
・・・ ・・・ ・・・
さて、SASは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの循環器病を発症させることが分かりました。
すると・・・
これを放置しておくと心筋梗塞や脳卒中など突然死のリスクが高くなるまで話が進んでいることを理解しましょう。
「睡眠障害」だけだった「SAS」が実は「突然死」に繋がるメチャ怖い病気ということです。
『SASは寝ている間に循環器病を作っている』
これ、今やSAS業界(?)の常識のようです。
最近のSASを標榜するクリニックのキャッチコピーは例えばこんな感じです。
『いびきや睡眠中の無呼吸を指摘されたことがある方は、SASの検査を受けることはもちろんですが、心臓や脳の検査をすることもとても重要です』
さて、SASは、高血圧、狭心症や心筋梗塞、心不全や不整脈などの循環器疾患を引き起こす原因となっていることはご理解できたと思います。
……ということで、まず私が先陣切ってSASの検査をしてこようと思います!!
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