「舟形光背を作れ」
という夢を見たので作ることにしました。
なんのこっちゃ?……と思われましたよね?(笑)
まず舟形光背というのは、その名の通り船の形に似た光背のことです。
先日、修繕が終わった馬頭観音ですが、実は今、光背を作りをしていました。形は有名な中山寺の馬頭観音が「円相」の光背だったのでそれに倣っていました。
http://nakayamadera.jp/gallery/photo.html
ところが冒頭に書いた、数日前の夢の話。
以下のような会話がありました。
某「光背は舟形光背にしろ」
私「いや、あれは素人の私に作るのは無理です」
某「いまある如意輪観音の舟形光背の型をとればできるだろ」
私「え?型を取るって石膏か何かで?」
某「そうだ、それで作れ」
この夢に出てきた「某」は別に馬頭観音がお出ましになった訳ではないので、誰と話をしているのかはよく覚えていません……
まあ夢は夢だから無意識に私がそう思っていたと解釈するのが妥当ですが、そんな野暮な解釈してしまったら味もそっけもないので(笑)
宗教家の私のとしては、タイミング的にそんなこと言うのはきっと「あの馬頭観音さま」だったんだろうな、と素直に思った。
それにしても舟形光背というのは「如来」「菩薩」では最も多く見かける光背ですが、忿怒形のお像で見かけることはあまりない印象がある。上述した中山寺の馬頭観音然り、他の有名なお像の多くは「円相」「二重円相」がほとんどだ(石仏は別として)。理屈で言えば馬頭観音は忿怒形とはいえ「観音」なのであり得ると言えばあり得る話かもしれないが!?
なんて考えていると……「あっ!」と思いました。
そういえば、と思い松尾寺の馬頭観音を確認してみると「鳥肌」が立ちました。
写真:下記サイトより引用
なんと松尾寺の馬頭観音は「舟形光背」じゃないですか!!
前に見た画像が「博物館展示」のものだったので気付きませんでした↓。
馬頭観音に舟形光背はこの松尾寺のお像を改めて見ても「違和感」を覚えるほどに「珍しい」と感じます。
そしてこのことから私が修繕した馬頭観音が「松尾寺」と縁の深いお像ということが私の中では「確実」になりました。
こうなれば、「言われた通り」に舟形光背を作るしかないですね。
またかつて師僧に「お像は発遣、開眼しても作成された当時の目的や開眼者の意向が残ってるものだ」と聞いたことを思い出した。
「舟形光背にしろ」
それもそんな「お像の記憶」から発されたメッセージに違いないと思った。
さて、そうは言っても技術的にできるのか?という現実的な問題がある。
しかし……やるしかないのである。
扱いの慣れない「石膏」をホームセンターで購入して、夢に見たイメージ通りに手元にあった如意輪観音の光背を使って「型」を取ってみた。
半信半疑だったが……やってみると、なんかいい感じです。
この「型」の上に仏像修繕で使った「石粉粘土」を当て込めば、何とかできそうな予感です。
まあ、考えてみればメッセージがそのお像からならできて当たり前なのかな(笑)
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