以前から当院の尊格は、尊星王は言わずもがな、多羅菩薩、荼枳尼天もどうやら「星」と強い関わり合いをもっていることに触れてきた。
最近は、荼枳尼天の本地仏である「文殊菩薩」の修法をするために、文殊菩薩のお像を作成する過程で、文殊菩薩の考察記事を書いてきた。その考察の中では「文殊菩薩と星」というテーマは書いていない。
では「文殊菩薩は星とは関係ないのか?」という話です。これについて強力な考察記事をいただきましたのでご紹介したいと思います。
以下の文殊菩薩に関する過去記事の中で、森雅秀先生のインド密教の仏たちという書をご紹介させていただいたことがありました。
この記事にについて、(過去にもご紹介させていただきました)【雨音村雲@藤浪永理嘉(´ 。?ω?。)@amane_murakumo】さまから、詳細な考察を「X」で書いていただいたので、ご紹介したいと思います。(以下のリンクです)
@ohtoriyabekkan
— 雨音村雲@藤浪永理嘉(´ 。•ω•。) (@amane_murakumo) 2024年9月27日
里見ご住職のこの記事を読んで、
森雅秀先生の『インド密教の仏たち』
を読んで、
スカンダ神さまと文殊師利菩薩さまに思いを馳せてみたら、
はたと双方、「星」に関係するなぁと気付かされた。 https://t.co/qPybYhxWzB
※上記の記事を以下に通しで引用させていただきます。
里見ご住職のこの記事を読んで、
森雅秀先生の『インド密教の仏たち』を読んで、スカンダ神さまと文殊師利菩薩さまに思いを馳せてみたら、はたと双方、「星」に関係するなぁと気付かされた。
先ず仏教側、文殊師利菩薩さまから言うと、宿曜道(密教占星術)の所依根本経典である『宿曜経』は、正式名称を『文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経』と言う。
その名の通り、文殊師利菩薩さまが、聖仙(リシ)諸仙の方々と七曜九執二十八宿の星々が吉凶善悪の天運に及ぼす働きを説いた経典である。
また文殊菩薩さまの師利とはsri(シュリー)、吉祥、めでたい事を意味するが、九執の星々の荒ぶる凶星としての力を鎮め、吉星としての力を守り立てる為にご真言に「〇〇(星名)+シリソワカ(吉祥成就:めでたき〇〇星の加護が成就せんことを)」とつける場合がある。
翻って、ヒンドゥー教に於けるスカンダ神はどうであろうか。
そもそもスカンダ神の別名をクマーラ、或いはカールッティケーヤと言う。カールッティケーヤとはクリッティカーに於いて生じた者、の意である。クリッティカーとは宿曜における昴宿或いは参宿の事で、なかんずく昴宿を指す。カールッティケーヤはガンガーの水に依って生じたとも言うが、ガンガーとはガンジス川の女神であり、それが天にある状態を想定すれば「銀河」、「天の川」である。
またカールッティケーヤは昴星の女神であるクリッティカー六女神を乳母とした為、六面であるとも言う。つまりカールッティケーヤは銀河の王子、星々の王子と見立てられる。
それだけでは無い。特に悪星が障碍を為して人々の運命を掴み取る事を「執」と言う。善星による影響も指すが、超常的な神々や妖魔が人々に齎す「タタリや障り」、「影響」、それら全般を梵語でgraha(グラハ)と言う。「捕まれる」の意である。
九執、九つの星々に依る人間の運命への影響も九執(ナヴァ・グラハ)と言う。そしてカールッティケーヤ神はクマーラ神としては祟り神の側面を持っており、小さな童子神(小クマーラ)を使役し、眷属の七母神(マートリ)の影響もあって小児疾患を引き起こす魔軍の主でもあり、妖魔(グラハ)の主でもある。
だが兄であるガネーシャ(ガナパティ)神、仏教に入って大聖歓喜天さまが、ガナ(魔軍)、ヴィナーヤカ(障碍神)の上首でありそれらの障りを引き起こすことも取り除く事も出来る様に、クマーラ神はその障りの除去者でもある。
何となれば、クマーラ神、カールッティケーヤ神は孔雀に乗る。孔雀は孔雀明王さまや五智如来の阿弥陀如来さま宜しく毒蛇を食べ三毒を除く象徴である。疫病除けの含意もある。その孔雀は元アスラでもあると言うが名をパールヴァニと言う。「裁定するもの、支配者」と言う意味でもあるが同時に「一年、収穫年」を意味する。
そしてカールッティケーヤ神はこのパールヴァニに乗り、ターラカと言うアスラを倒す。ターラカとは「星」の意である。このターラという言葉はtr(横切る)という語根から来ており多羅菩薩さまとも関係がある。
要するに収穫年を意味する孔雀に乗って悪星を喰らい尽くしながら、悪しき星々の上首たるアスラを撃ち倒す、つまり星の障りを鎮めて、正しい巡行にするのがカールッティケーヤ神の役割であるとも言う。
このターラカと言う言葉は女性形にすればターラカーであり、ターラカーとは九執の一つであり主星であるブリハスパティ(木曜星)の妻である「ターラー」の別名でもある。
ブリハスパティはインドラにもアグニにもブラフマーにも比される創造神であり木曜星は吉星だが、月神であるソーマに妻を略奪されて水星ブダが生まれ、金星シュクラはアスラの守護者となりライバルとされるなど星々の争いや生まれの神話ではかなり重要な位置になる。
またカールッティケーヤ神やアグニ神自身、大凶星であるものの強烈な戦意の星でもある火曜星(マンガラ)とも同一視される。本来火星はその燃える様な色から「熾火が付いた炭」を意味するアンガーラカと呼ばれるが、吉祥を意味するアグニ神の別名「マンガラ」と呼ぶ事で鎮める仕組みにもなっている。
こう言う類似点を見ていると里見師が先年から星供養を良くされ、そのご師僧である羽田守快師が密教占星術に通暁され、尊星王流宿曜道を確立された事が想い出され、妙見尊星王さまや荼吉尼天さまがたお祀りされている仏尊やそのご本地である文殊師利菩薩さまのお導きか...とふと思えて微笑ましく有難いばかりである。
引用の最後にある『妙見尊星王さまや荼吉尼天さまがたお祀りされている仏尊やそのご本地である文殊師利菩薩さまのお導きか...とふと思えて微笑ましく有難いばかりである』というお言葉は、自身でも「はた」と思うことがあり、わたしも「有難い」と強く気づかされたエピソードとなりました。
祈願のお申込みについて
本院で承っている祈願につきまして、以下解説ページから。
本尊准胝仏母祈願(¥5,000~)
当院のご本尊である准胝仏母さまの祈願です。滅罪、延命、求子に強いご尊格です。
荼枳尼天とはお稲荷さまの仏教でも呼び名です。
商売繁盛、学業増進、立身出世など増益につよいご神さまです
病気平癒、健康維持にとてもよく効く祈祷で、お加持をした「お札」を毎日枕の下に入れてその札に「悪いもの」を吸い取ってもらうように機能させます。人によっては患部に当てるよう袋を作ってお守りのようにしている方もいます。不動明王による祈祷を行いますが、当院では延命に強い准胝仏母の力もお借りして祈祷致します。
光明真言にによる供養(光明供)にて、ご先祖供養を致します。光明真言には強い滅罪の功徳がございます。
(「どんな衆生でも救う」という使命を持って誕生した慈悲深い菩薩さまです。皆様の願いを菩薩さまにお伝えするお手伝いをします)
年始(旧正月)に「星祭」を行い、祈祷札をお出ししておりますが、随時「星祈祷」をお受けしています。
※不動尊華水供を修法致します。
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