地道に密教修行

天台寺門宗の祈祷寺院にて密教の修行しております「亮和(りょうな)」と申します。修行、信仰を通じて感じたことなどを綴っていきます。※過去(本格的な修行前)に「地道に観音信仰」というブログを運営しておりました。どうぞ気楽にコメントいただけると嬉しいです!

脳のなかの幽霊

 今日はお勧めの本を紹介したいと思います。

 

 タイトルは「脳のなかの幽霊 V・Sラマチャンドラン(角川書店)」です。


 昨日のキーワードは「霊能力」でした。

 なんとこんどは「幽霊」の話か!!

 と思われた方もいると思います。

 そうです。幽霊の話です。

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 ただこの本の著者「ラマチャンドラン」は認知脳科学の世界で超有名なゴリゴリの科学者です。

 

「なんだよ!!」

 

とガッカリしましたか?(笑)

 

 がっかりした方はきっと「幽霊肯定派」の方だと想像します。

 つまり「どうせ霊現象は脳が見せる幻覚だって話でしょ?」なんてこの本の内容を安易に想像したんだと思います。

 雑に言えば確かにその通りです。

 ただ、おそらくこの本を読むと、皆の予想をはるかに上回る内容に驚愕すると思います。しかも幻視体験をこの本を読むだけで体験できるという特典?付き(笑)。

 

 私は密教修験道の修行者なので「霊現象肯定派」です。

でも私はこの本を読んで思ったのが、行者なら「脳ってこんなにも奇怪な現象を起こすものなの?」ということを分かっている必要があると感じました。リアルな怪談話よりもよっぽど「ありえない怪奇現象」の数々にきっと驚くと思います。

 だから、例えば霊現象で相談された時「脳現象でここまでの霊現象的なことが起こり得る」という知識があるのとないのとでは対応が大きく変わってくると思いました。

 また信者さんでも、なんでもかんでも「霊現象」にしたがる人はこういった知識は入れておいた方がいいと思います。

 

 前回の記事は「霊能力」を扱うとき「心理学」という「方便」が使えるかも?という結論でした。しかしその記事でも書いた通り心理学という学問は結構「オカルト容認」な学派が多く、決してサイエンスではないので注意が必要です。つまりもっと科学に厳密な視点を持つには心理学では片手落ちなんです。

 ただ脳科学は紛れもないサイエンスです。だからその最前線の脳科学をしっかり分かった上で、「それでも霊現象を肯定する」くらいの強さは科学全盛の時代必要なスキルかも?なんて私は考えています。

 そのための参考書としてはこの「脳のなかの幽霊」は最高峰だと思います。まあ、ただ最前線の脳科学と書きましたが、1999年の本なのでずいぶん古い理論ですがそれでも十分だと思います。

 何といっても読み物としてメチャ面白いです。だからかなり売れた本です。

 そして、この本は確かに著名な脳科学者の本ですが「神秘体験」を決して否定していないというのがこの著者が一流の科学者なんだと思います。この方はわれわれ宗教者でもリスペクトするに足る学者だと思います。

 

 それが分かる文章を引用して、今回は終わりにしたいと思います。

『側頭葉の特定の部位が宗教的経験に、他のどの部位よりも直接的な役割をはたしていることはあきらかである。(中略)もしあなたがたこういう結論に飛びつく気になっているのなら(側頭葉が宗教に関係しているという)まったく同じ証拠が、使いようによっては神の存在の反証ではなく、神の存在を支持する証拠にもなるということだ。たとえば、大半の動物は色覚に関するレセプターや神経機構をもっていない。特権的な少数者だけがもっているのだが、だからといって色が存在しないという結論になるだろうか?ならないのはあきらかだが、ではなぜ同じ論法が神には適用されないのか。もしかすると「選ばれた」人たちだけが、神の存在を知るのに必要な神経回路を持っているかもしれないではないか。別の言い方をしよう。科学者としての私がめざすものは、宗教的感情がなぜどのように脳のなかで生まれるのかを発見することであるが、このことはどんな意味においても神が実在するかしないかにはまったく関係がない。(脳のなかの幽霊より引用)』

 

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