また牛の話です。
ヒンドゥー教の儀軌を見ていて「おや?」と思ったので、先日の焔摩天は牛と関係があるという記事に対する補足です。
今日のポイントは「牛と水牛は違う」という話になります。
ヒンドゥー教では「牛」は神聖な動物だからヒンドゥー教徒は牛を食べないという話はよく耳にします。
またヒンドゥーの寺院では牛が徘徊しているという記事も読んだことがあります。
『参拝者の多い生きたヒンドゥー教のお寺にお参りした時も、同じような違和感を持つ。(中略)境内に一歩足を踏み入れて驚いた。きついインド特有の香が煙のように立ちこめる境内で、善男善女が手に花と香をもち、まっ赤な色粉を全身に塗ったカネーシャ神やドゥルガー女神などを祀ったヒンドゥー教の祠堂をめぐりながら参詣している。その間をぬって、聖なる動物といわれる牛たちがあちこちでのっしのっしと歩きまわる(「密教」松長有慶著(岩波新書)」』
そして冒頭で書いたヒンドゥー教の儀軌ですが、シヴァの乗り物が「牛」ということ。そういえば大自在天(摩醯湿伐羅天)も牛に乗ってましたね(汗)
では焔摩天の記事で考察したように牛は「冥府との関連」という話に限局されないかもしれないし、もしかすると単に焔摩天もシヴァの影響という事で話がついてしまう可能性が出てきてしまう……
ということで、念のためにヒンドゥー教の「ヤマ」の儀軌を見ると……
おや?牛は牛でも「水牛」になっているぞ?ということに気づきました。
我々日本人にとって牛も水牛も違いはないようですが、どうもヒンドゥー教では明確に区別しているようです。
『インドなどで信仰されているヒンドゥー教では、コブウシが神聖な動物として崇拝の対象となっていることは有名である。しかし、スイギュウに関しては、ヒンドゥーの教義上、通常の牛とは明確に区別され、崇められていない。よってその肉は、非ベジタリアンには食用にも用いられる。そのため、スイギュウから採れた牛肉は様々な分野で利用され、輸出もされている。インド産水牛の肉の輸出先は、主に中東やアフリカ、東南アジアである。2012年には、世界有数の牛肉輸出国のブラジルやオーストラリアを抜いて、インドが世界一の輸出量となる見通し。ただし、ヒンドゥー教としては問題なくとも、インド国民においては、水牛の殺生についても拒絶反応が非常に強く、市民団体などは輸出増に懸念を示している。ネパールで行われるヒンドゥー教の女神ガディマイを称える祭りでは、水牛をはじめとした動物が生贄として捧げられることで知られており、2009年には約30万頭の動物が祭りの会場で刀などを使って殺された(ウィキペディア)』
参考ブログ リンク
さて、シヴァは「牛」でヤマはなんで「水牛」なんでしょう?
謎が増えてしまった……
また調べてみます……
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